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皇子の嫁取り神事とその結果について  作者: みのすけ


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第一皇子の走馬灯

周りを取り巻く状況がだんだんと明らかになります。読み進めて頂けると嬉しいです。

突然左頬に衝撃が来て、身体がふわりと浮いたところまで覚えている。

瞬間的に頭に浮かんだのは、自分が今まで見てきた様々な場面だ。走馬灯の様に早回しで再生される映像の中で、私はいつも人の輪の中心に居た。


我が名は劉信リューシン

この国の第一皇子であり皇帝の座を継ぐ者。


「其方を皇太子とする。励め」


父である現皇帝から告げられたのは齢12の時。「皇子の中で私が一番優秀だから」と皆は言った。


父の子は皇子が3人、皇女が7人いて、皆母親が違う。私の母は皇妃で、後宮で最も位が高く最も気高い女性だ。

私の髪色と瞳の色は父親譲りだが、顔のつくりは母親譲りで、幼い頃から自分でも見目が良いことを自覚していた。


母の実家は南家の大貴族であり、私は幼い頃から何不自由なく過ごしてきた。後宮内で一番豪奢な宮に住み、沢山の使用人に囲まれ、好きなものを好きなだけ与えられた。父にも母にも侍女達にも可愛がられ、伸び伸びと育った。


5歳の頃には身体を鍛え始め、勉学に励み、必要な教養を身に付けるように心掛けた。有名な先生から教えを乞い、時間が許す限り好きなだけ取り組んだ。


軍戯もその一つだ。

先生は私を天才と呼び、10歳にして私は負け無しになった。立太子の後に後継者教育が始まったが軍戯は息抜きに続けており、毎年都で行われる大会の優勝者を王宮に招いて相手を務めてもらっていた。

優勝者にも負けない私は、軍戯に絶対的な自信を持っていた。


それが何故?

どうしてこうなったのだろうか⁇



✳︎



「上に立つ者として相応しく在りなさい」


これは皇妃である母の口癖だ。


母は子供の目にも美しく、堂々としていて、父と私に優しかった。周囲の者が母のことを「理想的な皇妃」「完璧な女性」と褒めていたので、私も誇らしかった。


だから私は完璧を目指した。

勉学も剣術も軍戯も、一番でなければならない。結果、帝王学を始めとした皇太子教育は最速で終わらせることができた。もちろん教師からの評価も高く、今は皇子の中で唯一政務を任されるに至っている。


「神童」「天才」「優秀」「完璧な皇太子」

私は王宮の中心にいて、皆から称されることに慣れていった。


上に立つ者として相応しく在るためには、周囲からも敬われるような人物でならなければならない。私は将来は国を背負い、民草を導くのだ。そこで側近たちの声を良く聞き、有力貴族との社交に努めた。


帝位を継ぐのは男子のみなので異母姉妹のことは眼中になかったが、私は競争相手であった異母弟にも分け隔てなく接する。


特に第三皇子は皇子としての自覚を持つ様に助言した。本人からは「どのように学んだら良いか?」と質問があったが、「教師を招いて教えを乞うといい」と答えたら小さく俯いていた。


「皇子らしく身なりを整えろ」

「そんなことも知らないのか?」

「そんな細腕で民を守れると思うのか?」


第三皇子あいつには何度言っても直らないから、最近はもう諦めている。


「お前には皇子としての自覚がないのか」

「皇族の恥晒しが」

「私の前にみすぼらしい姿を見せるな」


そう言って第三皇子あいつの頬を張った時

、あいつの身体は容易く吹っ飛ばされていたな。倒れた時に見えた腕や脚が異様に細くて、気味の悪さを覚えたっけ。


不出来な異母弟の存在に悩まされるが、将来の伴侶となる女性については私に相応しい妃として選んだ。母の実家の系列である南家の姫で、気が強くて少し我儘なところも気に入っている。


彼女は既に次代の後宮を取り仕切る者としての責任感もある。つい最近までは末の皇女である異母妹の無作法について、彼女なりに心配していた。事あるごとに相談を受けた私が見兼ねて、自ら第七皇女を躾けてやったこともあったな。彼女はとても喜んでくれたっけ。


皇太子妃として健気に頑張る彼女には悪いが、いずれ私も第二妃、第三妃を迎えるだろう。父は単なる好色家で妃を増やし続けているが、私は帝位を継ぐに当たって後継者を作る義務がある。その為に私に相応しい女性たちをもっと集めなければならない。


その点、目の前の姫は私に相応しい。

東家の雪姫、その名の通り透き通る様な肌の白さと薄青の澄み切った瞳、都では稀な銀糸の髪を持つ娘だ。


盤の前に座る彼女は、凛として美しい。

嫋やかな容姿からは想像できない気の強さと、私に媚びることのない気高さも好みだ。

神事の場でなかったら、すぐさま私の宮に連れ帰っていただろう。


もともと東家の姫を娶ることが皇帝からの厳命なのだ。父曰く、なんでも東家の姫を皇室に妃として迎え入れれば、この先皇族としては安泰らしい。


何を根拠に?と内心父に呆れた。

東家はその特殊な位置付けから政略結婚にはなり得ないからだ。


しかしながら、わざわざ勅令で神事を執り行なうくらいだ。

父は本気で信じているのだろう。

最後までお読み頂きありがとうございます。


気に入って下されば、評価やブックマーク頂けると励みになります。リアクションも嬉しいです。

よろしくお願いします^_^

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