Épisode1-7
お昼も町で食べることになり、勉強が終わってから直ぐに出掛けることになった。
「ルリ様。旦那様と奥様から伝言でございます。(毎日頑張っているから、思いっきり楽しんできてね。)との事でございます。」
「ありがとうございます!」
本当に優しい二人だなぁ!
「ルリ様!準備が出来ました。いきましょう!」
「ライディさん行ってきます!」
「行ってらっしゃいませおじょ……ルリ様!」
瑠莉はライディとメイドの皆に手を振った。
確か、ダルマンさんから歩いて20分のところに町があると聞いたなぁ
どんなところだろう!楽しみ!
山や森、鳥を見ながらティナと話しながら整えられた道を歩いていくと、木で出来た巨大な扉が見えてきた。
「ルリ様!ここが町の入り口です。中に入りましょう!」
門をくぐると屋台やお店があり、大勢の人が行き来している。
「お嬢さん!今日取れたての魚はいかが?」
「焼き立てのパンはどうだい?」
「新しい生地を入荷したよ!寄っていかないかい?」
………色々な人に声を掛けられて色々なものが見られて瑠莉は嬉しそうにしている。
凄い!楽しい!美味しそう!
「ルリ様。何か食べたいものや寄りたい場所があればおっしゃってくださいね!」
「分かりました……………」
気になるところがありすぎて決められないどうしよう………
少し歩き奥に行くと、白とピンクの可愛らしいカフェを見つけた。
「ティナさんここがいいです!」
ティナは少し驚いた顔をしていた。
「ルリ様はお目が高いですね。この町でもトップ3に入るほど人気のお店なんです!」
「そうなんですね!(見た目が良くて選んだんだけどなぁ。ははは。)」
並んでいる人はいなかったが、席はテラスが1つ開いているだけで他は埋まっていた。
「ルリ様どれにしますか?お食事の一番人気は………トマトとしらすのオリーブパスタです。」
「お、おいしそう……。私、それがいいです!」
パスタとドリンクを頼み、来るのを待っていると ………ズキン。
「いたっ!」
「ルリ様?どうかされましたか?」ティナが心配そうにこちらを見ている。
「いいえ!何でもないです。」
何だったんだろう……急に頭に痛みが……でも直ぐに収まったし……疲れてるだけかな?
「テイクアウトにして帰りますか?」
「大丈夫です!もう収まりました!」
「そうですか……」
その後は、何事もなく食事をしてデザートもしっかり食べダルマンたちにお土産のケーキを購入した。
お城へ帰る途中に、ティナが石につまずき転んでしまった。
「ティナさん!?大丈夫ですか?」
驚いた瑠莉はティナに駆け寄った。
「ルリ様申し訳ありません。足を捻ってしまいました……この道をまっすぐ進めば家に着きます。5分ほどなので
どなたか呼んできてもらえませんか?」
誰かを呼びに行くか……私がおんぶをして帰るか……
はっ!!
瑠莉はダルマンが怪我したときの事を思い出した。
「ティナさん!試したいことがあります。」
「はい?」
「痛い所を軽く触っても良いですか?」
「は、はい。」
ティナは戸惑いを隠せないでいる。
確かあの時は……
瑠莉がティナの患部を触ると、指先から白い光りが出てきた。
ダルマンの怪我を治した時よりも光が強く感じられた。
「こ、これは……!?」
ティナは目を見開いて驚いている。
光りが収まると
「ありがとうございます!ルリさんは回復魔法を使えるんですね。」
「そ、そうみたいですね。」
足も治り、無事に家に着くことが出来た。
―――――――〈ダルマンside〉――――――――
ティナは、ダルマンに今日起きたことを報告した。
「そうか……足はもう大丈夫なのか?」
「はい。痛くありません。」
「他に気になったことはあるか?」
「強いて言うならば、ルリ様が使う回復魔法は通常青色に光るところが、白い光りを放っておりました。」
「なに?それは本当か?」
「はい。」
「そうか……念の為今日はゆっくり休むと良い。」
「ありがとうございます。」
そう言ってティナが部屋から出ていくと、ダルマンは呟いた。
「他とは違う回復魔法か……これで少し確信が持てた。」
kasumisou