Épisode1-3
―――――――〈瑠莉side〉――――――――
門をくぐると豪華な屋敷があった。
「帰ったぞ!」と隣にいたダルマンが屋敷中に響き渡る声で誰かを呼び出した。
それからすぐに60歳くらいの男性が出てきた。
「おかえりなさいませ。」
「おぉ、ただいま。」
「旦那様の後ろに隠れている方はどなたでしょうか?」
「マツモト ルリ殿だ。ルリ殿こっちの黒い服を着たのは、
「ベリー家の執事ライディ・ランフリー・シュバルツと申します。」 まぁ、詳しいことは客間で話そう。ライディ案内を頼む。」
ダルマンはそういうとどこかに行ってしまった。
「かしこまりました。こちらへどうぞ。」
そういうとライディが客間まで案内をしてくれた。
黄色や青、ピンクなど色々な花が廊下の至る所に飾ってある。
「花が綺麗ですね。」
「ありがとうございます。奥様の趣味でございます。花が大好きなようでご自分で育てていらっしゃいます。」
「そうなんですね!」
聞きたいことはまだあったが、部屋に着いたようなので話は終わってしまった。
「旦那様はもう少しで来ると思いますので、こちらの部屋でお待ちください。」
メイドが部屋に入ってきて紅茶と焼き菓子を出してくれた。
「どうぞお召し上がりください。」
い、良い匂い……この焼き菓子は何だろう?見たことが無いけど……
そんなことを考えていると、ダルマンと女性が部屋に入ってきた。
わーぁ、綺麗な人……
「待たせたな。私の妻のエレーナだ。こちらのお客様はマツモト ルリ殿だ。」
紹介されたダルマンの奥さんは赤い茶色の髪色で、ほんのり花の香りがする綺麗な女性。30歳くらいに見える。
ダルマンはお互いの紹介を終えると、森であったことを話し始めた。
「まぁ……そのようなことが……主人を助けていただきありがとうございます。何かお礼をさせてください。」
「いえいえ。お礼だなんて!」
まさか治るなんて思ってもいなかったし、私だって驚いていたのに。
「お礼はさせてください。」
そんなに言われても……
「ルリ殿が困っているだろエレーナ。何か必要なことがあればその時に言ってくれ。」
…………
………………
……………………
それからたわいもない話をしていると、日が沈んできてしまった。
「そろそろ帰らないとお家の方が心配するのではないかしら?」
エレーナが心配そうに瑠莉の方を見ている。
「そういえば!!私家がないんだった……」
「なぜだ?」
ダルマンが驚いてこちらを見ている。
「突然連れてこられてしまって……」
「まさかっ……誘拐!?」
「いえ!私が許可をしたので、誘拐ではありません……」少し自信がなさそうに答えてしまった。
「連れてこられた?もしかして―――――――――――。」ダルマンが何かを言っているが小さい声で聞こえない。
見かねたエレーナが
「今日のところは、泊っていくといいわ。これからの事はまた明日考えましょう。」と声を掛けてくれた。
その後は、夕食を食べお風呂に入りベットのある部屋に案内をしてもらった。
部屋で一人になると緊張がほどけて眠くなってきてしまった。
エレーナさんに似ている人がいた気がするなぁ。誰だっけ…………………………zzzZ
kasumisou