Épisode2-2
―――――――〈ミーテルside〉――――――――
外でやると言っても、何も用意してないけどどうやって見せてくれるのかしら?
「ミーテルさん心の準備はいいですか?」
「えぇいつでもいいわよ。」
静かに瑠莉の手元を見ていると、白い光りが現れた。
えっ………
………………
おかしい…………
だって!回復の魔法は怪我にしか出来ないのに、なんで何もない所で出来るの!?
しかも、回復魔法の放つ光は青だったはず………
………………
「ミーテルさん?大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫よ。久々に回復魔法を使う人を見たから見とれちゃっただけ。見せてくれてありがとう。」
とっさに嘘を言っちゃったけど、ルリは気にしている様子がないから良いかしら。
お父様には言っておかないと。
―――――――〈ダルマンside〉――――――――
一方、ダルマンとカーライユとフェリックスの3人は瑠莉の話をしていた。
「そんなことが、あったのか……」
「確かに噂されている子に似てはいるが、ダルマンだけの目撃ではな……いや!もちろん信頼はしている!だがな……」
「分かっているとも。ただ、どうしたらいいか意見が欲しいのだ。」
「「「うーん………」」」
3人は考え込んでしまった。
やはり我々だけでは、どうすることも出来ないのか……
コンコン……
扉をたたく音が聞こえるとライディが入ってきた。
「失礼いたします。旦那様、イーライ様がお見えになりました。」
「イーライ殿が?カーライユが呼んだのか?」
「あぁ、すっかり忘れていたよ。実はだな、イーライが次期当主に確定したんだがそれの挨拶に来たらどうだと言っていたんだ。」
「おぉ!そうだったのか!ライディ入ってもらいなさい。」
「承知いたしました。」
それから少ししてカーライユに似た顔立ちのブロンドヘアーの男性が現れた。
「ダルマン様。フェリックス様。お久しぶりでございます。」
「話はさっきカーライユから聞いたぞ。おめでとう。これからも色々頼むぞ。」
「ありがとうございます。こちらこそ、これからもご指導のほどよろしくお願いします。」
ゴーンゴーン……
何処かで鐘が鳴る音がした。
「もうこんな時間か、そろそろお開きにするか!」
「そうだな。」
「ルリとミーテル殿を迎えに行くか。せっかくだし、イーライ殿もルリに挨拶するといい。」
そう言うと、みんなで2人がいるバルコニーへ向かった。
―――――――〈瑠莉side〉――――――――
あれから、もっちゃんと遊びお茶会の続きを行った。
「そういえば、ルリちゃん。メテオールで一番有名な湖って行ったことある?」
「いいえ、ありません。どんな所なんですか?」
「うーん……行ってから説明する方が早いから今度の週末一緒に行かない?」
「行きたいです!でも……ダルマンさんにも聞いてみますね。」
「そうね。私もお父様に聞かないとだし。」
そんな会話をしていると
「行ってきていいんじゃないか?な、ダルマン?」
「あ、あぁ!もちろんだ。」
「お父様!」
「ダルマンさん!」
急に現れたダルマンたちに2人は驚いている。
いつからいたのかな?あれ?見たことが無い人が1人いる。
瑠莉が不思議そうな顔をしてイーライの事を見ているのに気付いたダルマンは紹介を始めた。
「ルリ。彼は、カーライユの息子だ。」
「初めまして。イーライ・ヴァン・ベアトリーです。お目に書かれて光栄です。」
「松本瑠莉です。初めまして。」
自己紹介を隣で聞いていたカーライユはどこか難しい顔をしていたが、何か思いついたかのように
「そうだ!ルリちゃん。ミーテル。その湖に行くのにイーライも一緒に連れて行ってくれないか?もちろん女性2人では危ないからだ。護衛としてはどうかな?」
「それはいいな!イーライ殿なら安心だな?な、リック?」
「そうだな。イーライ君忙しいとは思うが頼まれてくれるか?」
イーライは少し悩んでから
「はい。お任せください。」
その時の頼もしい表情を見てルリは、無意識に
「かっこいい……。」
と頬を赤らめて呟いた。
ミーテルが隣で険しい顔をして瑠莉とイーライを見ていた事に誰も気づいていない様子だった。
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