盤外上のストラテジー―3
ワイズマン:「――――――――」
缶コーヒーを口にしながらしばし沈黙するワイズマン。
ワイズマン:「一概には断言はできないが・・・一連の事件に関しては
関係性は高いと我々も見ています。無論、仕掛けた連中それぞれに
接点はないと思われるが共通点という部分においてはそれなりの繋がりは
あると職業柄としての“カン”とやや不安要素かもしれませんが」
加藤:「いやいや、職業としての“カン”ってモンはバカにはできませんよ。
疑問を抱くのならばそこから更に調べに行けるというのは並大抵のことじゃ
ありませんから」
松田:「ですね、最近は科学捜査の進歩などもあってだからこそ
経験を踏まえての疑念を払拭するということが割とできるようになったからこそ
そういった“カン”を蔑ろにしては元も子もないですからな」
ワイズマンの言葉に加藤と松田ら警察関係者はそれぞれの立ち場としてそう答える。
八雲も黙ってはいたが異論はないという風にその会話を聞いていた。
ひと呼吸入れるようにワイズマンは手に持っていたコーヒーを再び飲む。
ワイズマン:「――――今後の捜査に付きましては上からの指示待ちもありますが
全面的に協力させて頂きたいと思います。」
加藤:「よろしいので?」
ワイズマン:「捜査に関してはその道のプロフェッショナルが適切と思いまして―――
無論、ウチにもそういった連中がいない訳じゃないんですがやはり日本の捜査機関と
パイプを持っておくのは大切だと思いまして――――」
加藤:「随分と隠さずに言いますな。普通そこら辺ははぐらかしたりたいするのでは?」
ワイズマン:「この事件は【ブリューナク】(われわれ)としてもイカルガ社
としても決して軽視できないと上も判断しているので――――」
加藤:(色々と裏は複雑っぽいって感じかな?)
ワイズマンの言葉に加藤はそんな思考を巡らせていると1人の女性がずかずかと部屋に入ってきて
彼ら特にワイズマンに向けてて声を掛けてきた。
?????:「タイチョーサーン、もう出てきてもいいかーい?」
ワイズマン:「こちらが了承する前に入ってきているじゃないか――――」
やれやれ、と呆れながらもワイズマンは彼女を加藤らに紹介する。
ワイズマン:「紹介します。彼女はイカルガ社の【レイヴン】の主任設計技師を務めている」
ケイ:「綾波ケイよ。よろしくケーサツのみなさん」
瓶底を彷彿とさせる丸眼鏡をクイっと上げると技術者らしからない風貌の女性―――
綾波ケイは自己紹介を行うのであった。




