表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マシンナリィガール:ゼノ  作者: 貴宮アージェ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

90/98

鋼鉄のフェスティバル(後篇)-13

ガルダルフ:「おいおい、それはちょっとないんじゃないかダンナ?」


制止する様に通信先にいるイヴリースにガルダルフは少し不満を伴った愚痴を零す。

せっかく場が温まってきたこともあってだけに雇い主であるイヴリースからの水入りだったのでガルダルフ的にも不満が漏れるのは仕方なかったとも言える。


イヴリース:『申し訳ないですがそろそろ時間でもあるんですよ』

ガルダルフ:「―――――もうそんなに経ってたか・・・」


イヴリースの言葉に冷静さを取り戻したガルダルフはモニターの表示されているタイマーに視線を落とす。

画面に映し出されるデジタル表記のタイマーのカウントは“00:00”と点滅しながら表示されていた。

これはタイムアップを意味していたのだ。

やっちまったな、という意味合いも込めた舌打ちをするガルダルフ。


ガルダルフ:「ついつい張り切りすぎちまったか・・・迂闊だったぜ」

イヴリース:『しかし、当面の目的は達成しています。名残惜しいかもしれませんが今日の所はここまでに』

ガルダルフ:「ああ・・・すまねぇ、ちと熱くなりすぎちまったようだ・・・部下共々、離脱に入る」


そう答えると同時にガルダルフは目の前の【ガンクロウ】を見やる。

ヴァリアブルロッドを構えたまま、警戒を続ける白いALはいつでも動ける様に身構えていた。


ガルダルフ:「―――――残念だがメインディッシュは後のお楽しみだな・・・」


名残惜しむ様に言うガルダルフはパネルを操作する。

同時に【ダイモーン】の機体は消える様に揺らぎ出す。


マキナ:「ッ!!逃がすか!!!」


動きに気づいたマキナは【ガンクロウ】を動かし、ヴァリアブルロッドを【ダイモーン】に向けて突き出す。

直撃する寸前、揺らぐ【ダイモーン】から白い煙が噴き出し、あっという間に周囲を覆い隠す様に煙は展開する。


マキナ:「クッ!これは!?」

クロウ:『目くらましを兼ねた煙幕ですが同時に外部センサーにも支障が生じています』

マキナ:「ジャミングを兼ねた特殊な煙ということ?」

クロウ:『肯定します。おそらく特殊なステルスシステムとの兼ね合わせでこちらの追跡をシャットダウンする目論見だと思います』

ロングスカウター:『(ザザ・・・)―――こちら、ロング―――、く、機――――、応答、せ――――』


ジャミングの影響か、通信に関しても応答しにくい状態となっている。

追跡もこの状態では不可能に近い。


クロウ:『この噴出量ならばおそらくあと2分ほどで晴れると思いますが―――』

マキナ:「・・・この状況では無理もないか・・・使えるセンサーを用いて警戒を」

クロウ:『了解』


指示を送ると同時にマキナは緊張を解く様に息を吐く。

おそらく向こうは完全に撤退している。

【サイクロプス】と相対しているライアーたちも気がかりだがこちらの様子は確認できているはず。

転倒している【アルゲス】や【ガルーダ】のオペレーターが気がかりである以上、

迂闊な動きは彼らを危険にさらすのはマキナも理解している。

ここでは完全に煙が晴れるまでは警戒をしつつ、待ちの姿勢になる他、手はないのが現状だ。


マキナ:「――――あの赤いAL・・・」


先ほどの赤いALをマキナは思い返していた。

【ガルーダ】の突撃によるダメージはあってもなおも余裕の様子を見せており、

オペレーター含めても余力を残している感じであった。

そして何よりも相手は丸腰に近い状態でこちらをあしらっている。

それに対して屈辱を感じたマキナは唇を無意識に嚙み締めた。


マキナ:「次は――――負けない」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ