鋼鉄のフェスティバル(後篇)-11
アルゲスオペレーター:「不破一尉、今です!!」
不破:「!!」
【アルゲス】オペレーターからの通信に応える様に不破はコンソールを素早く操作する。
操縦桿を握りしめ、前へと動かすと同時に【ガルーダ】の推進器が火を噴くと宙を浮く様に飛行していく。
それに呼応する様に【ガルーダ】の機体が変形を始めていき、その姿を瞬時に変えていった。
これこそが【ガルーダ】の最大の要素である航空形態への変形である。
素早く航空形態へと変形した【ガルーダ】はスロットルを最大にした不破によって
推進器のバーナーは盛大に火を噴き、【ダイモーン】に向かって突っ込んでいく。
低空飛行ながら猛スピードで突っ込んでいく【ガルーダ】はそのまま【ダイモーン】の胴体部へと激突する。
ガルダルフ:「ッ?!」
内部にいたガルダルフは驚愕の表情を見せるほど凄まじい衝撃が襲う。
激突した瞬間、航空形態の【ガルーダ】は弾き飛ばされ、【ダイモーン】も仰向けの様に地面へと倒れる。
衝撃は凄まじくアンカーを放った【アルゲス】の腕部は軋み、そのままワイヤ―事腕部が引き千切れ、【アルゲス】もその反動で完全に転倒してしまう。
激突した衝撃、ブーメランの様に回転しながら【ガルーダ】は無人となった観客席へと突っ込む。
中にいた不破は衝撃で身体を激しく揺らしながらも苦痛の表情浮かべながらも倒れ伏した【ダイモーン】の方へと睨みながら、
不破:「一矢報いたぞ―――」
そう言うと集中力が途切れたのかそのまま気を失ってしまう不破。
【アルゲス】のオペレーターはかろうじて意識を保っており、一連の様子を見ていた。
アルゲスオペレーター:「や、やった・・・これでもうアイツも――――」
朦朧としながらも勝ち誇る彼であったが、すぐにその認識は間違いだったと思い知らされる。
倒れ伏していた赤黒いALは一瞬とはいえ、ピクリと動いていなかったがその後すぐに片足を動かして立たせ、ゆったりとまるで人間が起き上がる様にゆっくり上体を起こしていく。
そのまま赤黒いALはゆったりと目を覚まさせるように鋼の躯体を起き上がらせ、両の脚で大地を踏ませる様に仁王立ちの様に立ち上がらせた。
その様子をマジマジと見せつけられた【アルゲス】のオペレーターは朦朧としていた意識がはっきりと覚めていく。
アルガスオペレーター:「ウソ・・・だろ・・・――――――」




