鋼鉄のフェスティバル(後篇)-4
場所は変わり、警備本部は慌ただしい所ではない状況に陥っていた。
観客の避難誘導、闖入者への対応諸々などなどもはや地獄絵図とはこういうのかと
いう様相を呈していた。
そんな中でもワイズマンは関係各所と連絡を取り合い、状況を整理しながら事態の収拾に努めていた。
ワイズマン:「ヴィダール隊、全員出れるな?」
ライアー:『こっちはいつでもいいぜ』
スバル:『さっさと行ってとっちめようぜ!!』
アル:『血の気在り過ぎ~まだ出撃許可は出てないでしょ』
ワイズマンの通信にライアーらALオペレーターを務める面々はいつもの調子で
答えていく。
ワイズマン:「全く頼もしい限りだな――――マキナ少尉からの連絡は?」
スタッフ:「先ほどから通信を受託しています。受けますか?」
ワイズマン:「頼む」
そう言うと音声通話がオンラインとなり、マキナの声が響く。
マキナ:『ワイズマン隊長!』
ワイズマン:「マキナ少尉、そちらの状況は?」
マキナ:『現在はミカサらと共に避難誘導に従い、行動中。そちらは?』
ワイズマン:「ヴィダール隊各員の準備は出来ている。【メイルシュトローム】全機
いつでも出せる状態だ。」
マキナ:『――――私も出撃しますか?』
ワイズマン:「出来ればそうして貰いたいが構わないか?」
マキナ:『そちらの判断次第ですぐ活動は可能。』
マキナの言葉にワイズマンはしばし思考した。
そこへ別口の通信コールが入る。
ワイズマンはスタッフに繋げる様に指示する。
別の音声通信オンラインとなり、そこから女性の声が響く。
女性の声:『ワイズマン大尉。聞こえますか?』
ワイズマン:「メルクーア司令!感度は良好、聞こえています!!」
メルクーア司令:『マキナ少尉も出撃させてください。敵ALが未知数な上に1機だけとは限りません。他のヴィダール隊員たちには敵増援に備えて2次待機でお願い
します』
ワイズマン:「わかりました――――少尉、聞こえたな?【ガンクロウ】は待機している。指定のポイントまで向かってくれ。ミカサ女史らに対してはこちらからすぐに増員を送る。」
マキナ:『了解。近くにいるミカサも了承してくれたのでそちらに至急向かいます』
通信が切れると同時にワイズマンはロングスカウター含めたヴィダール隊全員に声を掛ける。
ワイズマン:「おまえたち聞こえたな?ヴィダール隊は全機2次待機。不測の事態が起き次第、至急急行しろ!
ロングスカウターは索敵を続け、会場とその周辺の情報を行え、小さいことでも見逃すな!【クロウ】にも通達を忘れるな!!」
全員:『了解!!』
スタッフ:「ワイズマン大尉!会場周辺に突如として【レイヴン】の出現を確認観測されました!」
ワイズマン:「識別は?!」
スタッフ:「現在確認中ですがライブラリ照合されない可能性があり、例のALと同じ可能性が高いと」
そこへ更に通信が繋がる。
?????:『ワイズマン隊長、聞こえる~?聞こえますか~?おーい』




