鋼鉄のフェスティバル(後篇)-2
メイ:「ねえ、どうなってるのこれ!?」
会場は戸惑いによるどよめきが起きていた。
MC含め会場スタッフは慌ただしくしており、
ただ事ではないことは誰もが理解出来た。
コジロウ:「あのいきなり現れたレイヴンは一体!?」
メイ:「わかんないの?なんか如何にもワルソーな感じだけども!」
コジロウ:「見たこともないでござる!!」
メイとコジロウがギャアギャア言っている横でミカサはマキナの方へと
視線を向けるもマキナも知らないという様に首を横を振る。
マキナも詳細を知らない謎のレイヴン。
おそらくは【アームズレイヴン】なのだろうことはアトラス社の新型を
相手にしている時点でわかった。
だからこそ、あのレイヴンがどんな性能を有しているのかがわからないのは
底知れない恐怖を感じさせるとも云える。
次第に観客席内の人々が慌ただしく動き出す。
正体不明のレイヴンの出現に危険性を感じた会場側からのアナウンスで
避難が開始したのだ。
スタッフからの誘導もあってか人々は不安を抱いた様子を見せながらも
これといった混乱は見せずに避難を行えているのは不幸中の幸いだろうか。
メイ:「アタシたちも早く行こう!」
コジロウ:「そうでござるな。戦闘に巻き込まれる可能性があるだけに」
不安を感じる2人に頷き、観客席から移動しようとするミカサとマキナ。
ミカサはふとマキナに耳打ちする。
ミカサ:「マキナ。行かなくても大丈夫なの?」
マキナ:「今の所、本部から連絡は来てない。だから任務でもあるミカサの護衛を
優先するが本部にも連絡はいれるつもり。」
ミカサ:「マキナ・・・多分、あのレイヴンはかなりマズいと思う」
マキナ:「マズいとは?」
ミカサ:「上手く言葉に出来ないけど・・・レイヴンそのものもだけども
オペレーターの方も凄く強そうな・・・そんな雰囲気を感じさせるの」
不安を見せるミカサ。
マキナは一瞬、突如現れた赤黒いレイヴンの方へと視線を向ける。
彼女もまたあのレイヴンには底知れない雰囲気と威圧感を感じていた。
相手は凄腕の傭兵が乗り込んでいるかもしれないと思えるほどに
マキナ自身は直感などで判断することはないが兵士としてレイヴンオペレーター
としての経験もあってか相手は並大抵ではないのは一目でわかった。
マキナ:「だけど、新型に乗っている人らも軍人でオペレーターの腕も確かよ。
性能差はあってもそれだけで優劣に決定するのは早計よ」
ミカサ:「マキナがそう言うのなら――――」
メイ:「2人共、何してるの!?早くーーーー!!!」
メイからの催促に二人は頷き、まずはこの場を離れることにした。




