鋼鉄のフェスティバル(中篇)-10
パンフレットを広げて内容を確認するコジロウとメイ。
そんなこんなで会場はいよいよイベントが始まるのかステージの方に注目が
集まりだした。
MCを務める男性がステージに登壇し、マイクを介して会場へ声を発する。
MC:『皆さま、大変お待たせしました。これから東京国際マシンナリィフェアの
メインイベントたる新型レイヴンのお披露目を開催させていただきます!!』
歓声が会場に広がる。
ミカサ達も他の観客らと同じ様に拍手を送る。
多くの喝采を浴びながらMCは話を続けていく。
MC:『進行順は皆さまのお手元にあるパンフレットに記載している通りとなっております。
さあ、お待たせするのもなんですので早速始めていきましょう!まず最初はレイヴン開発のパイオニア【アトラス社】からのご紹介です!!』
MCからの紹介を受ける様にアトラス社のレイヴンが起動を開始する。
形状などから【サイクロプス】の系列を彷彿とさせる新型の【アームズレイヴン】が起動し立ち上がった。
機体名【アルゲス】――――民間への販売も目的として開発された基地警備用アームズレイヴン。
【サイクロプス】から精錬された機体動作とマッスルフレームの滑らかさを実感させる様に立ち上がっていく。
コジロウ:「おお、流石アトラス社。確かな仕上がりを感じさせますな」
マキナ:「確かに【サイクロプス】と比べても起動時間は僅かに向上しているのがよくわかる」
コジロウ:「流石マキナ殿、レイヴンに特に【AL】に対しての深さはお見事ですなぁ!」
嬉々として話を沸かせるコジロウとそれに対して冷静に反応するマキナ。
その様子にメイとミカサは若干の置いてけぼりを喰らっている。
オタク寄りな知識の深さがあるコジロウはともかく、それに対して普通に反応出来ているマキナも中々だと思ったミカサだが。
ミカサ:(ある意味ではマキナにとっては当たり前のこと、だよね―――)
マキナは民間軍事会社に属する傭兵、ということを時折だが失念してしまう。
まだ出逢って間もないからこそかもしれないがどうしても彼女がそうであることを忘れてしまうのは何故だろうか。
そう思案しているミカサであったがそれをかき消すかのように周囲がざわつき出す。
ミカサ:「――――なに?」
物思いにふけっていたミカサが会場の方へと顔を向ける。
解説に熱が入っていたコジロウも異変に気付き、不安な様子を見せるメイと共に会場の方へ視線を向けていた。
マキナもまた、険しい表情で隠し持っていた通信機を耳に付け、警備側の話に傾けていく。
会場の視線の先は新型ALである【アルゲス】の片腕を握手っている正体不明の【ソレ】に集中していた。
?????:「―――――さあ、ショーの始まりだ・・・!!」




