鋼鉄のフェスティバル(中篇)-8
北海:「責任重大ね」
不破:「責任は大きいけどもその先に可能性があるのならやりがいはあるさ」
北海の不安を払拭するかのように不敵に不破は笑う。
加藤:「自信満々なのが良いことだと思いますよ」
不破:「そう言っていただけると嬉しいですね。【ガルーダ】のお披露と今後配備される【フレースヴェルグ】には期待している人間も多いですし」
不破の言葉に加藤は部下からの報告を思い出していた。
この前の襲撃事件。
【ピースキーパー】以外にも【ゴブリン】を撃破していた銀色のアームズレイヴンがいたことが報告されてる。
その後、上からはその銀色のALに関しては他言無用ということで打ち切りとなっていた。
【フレースヴェルグ】のスペックに関しては以前、見たことがあるが今だ実際に見たことは加藤本人はまだない。
しかし、部下の1人である小早川ミユキの言葉が確かならその銀色のALは【フレースヴェルグ】の系列機なのは間違いないだろう。
加藤:(まあ、まだお披露目する訳にはいかないんだろうね・・・いずれお目通りになるだろうしな)
北海:「加藤さん?どうしたの?」
加藤:「ん?あ、いや、なんでもないですよ」
真剣な表情でしばし考え込んでいた加藤に北海が声を掛けたのでなんでもない、と素振りを混ぜて答える。
そこへ不和の端末からアラームが鳴り響く。
不破:「そろそろ時間ね」
北海:「ごめんなさいね、お邪魔して」
不破:「いいわよ。あと仕事が終わったら久しぶりに付き合わない?」
北海:「そうね、検討しとくわ」
じゃあ後で、と手を振ってその場を後にする不破。
それに応じる様に2人も手を挙げて見送る。
加藤:「さて、俺らも仕事に戻りますか」
北海:「加藤さん」
加藤:「ハイ?」
北海の方へ振り向く加藤。
北海:「――――今日、何か起きると思う?」
加藤:「―――起きなければ起きないだろうし、起きるなら起きる・・・そんな感じかねぇ・・・」
北海:「何とも言えない答えね・・・」
加藤:「犯行声明がないからね・・・起こそうとするなら絶好のプロモーションになるのは確かだよこういう場所は」
北海:「テロリストにとって?」
加藤:「いや、戦争を利益と考えている奴らさ」
そう言いながら空を仰ぐ加藤。
朝は晴天だった天候は徐々に雲行きが怪しくなるかの様に曇り模様を呈していく




