鋼鉄のフェスティバル(中篇)-5
?????:「悪いな、オジサンの顔が怖いだろ?」
ミカサ:「え!?あ、その・・・ごめんなさい!!」
心の中を見透かされた様な返答をする男性にミカサがたじろぎ、謝罪する。
そんな様子を見た男性は気にするな、と笑い飛ばす。
?????:「こんなツラだからな、慣れてるさ。じゃあ、イベントを楽しめよお嬢ちゃん達」
そう言いながら手を振り、その場を後にする男性。
ミカサ:「人は見た目で判断しちゃダメってのはホントだな・・・マキナ?」
マキナ:「―――――――――」
マキナは先ほどから微動だにせず、その場で立っていた。
マキナ:(――――気配がまるでなかった・・・殺気すら漏れてない・・・あの男は
一体――――)
AM11:00。
場所は変わり、会場から少し離れた【ブリューナク】の仮設警備本部。
ここでは会場内に配備された警備員や警察から提供されているセンサーや【WL】に搭載されたカメラアイを通した映像をモニタリングして会場内逐一チェックしていた。
怪しげな動きをしている人間や不穏なブロックなどがあった場合、即座に対応出来る様にイベント開催時からフル稼働で活動している。
無論、休憩は逐一で行っており、三体制によるローテーションで一時間起きに交代を行っていた。
【ヴィダール隊】隊長のズワルト・ワイズマンは無線を介して【AL】に搭乗して
待機している面々に定期報告を受けていた。
ワイズマン:「スルーズリーダーから各位へ通達。定期報告の時間だ。何か異常は
あるか?」
ライアー:『スルーズ5、異常は特にないぜ』
スバル:『スルーズ9、問題ナシ』
アル:『スルーズ8、アルフレイア機、周囲に異常ありませーん』
ワイズマンへの返答にそれぞれのメンバーは答える。
ライアーらはそれぞれ専用カスタマイズされた【AL】に搭乗し、迷彩欺瞞機構である【WIZARD】を常時展開して、各所に配置して警戒を行っていた。
【WIZARD】は【MIMIC】とは異なり、単純なステルスだけではなく、センサーらを誤魔化すECMとしての機能も備えた優れものである。
とはいえ、弱点がない訳でもなく、消費電力の激しさも相まってか、基本運用は現在の様な待機状態や現場からの撤収などの使用が基本的な使われ方が現状だ。
ロングスカウター:『ロングスカウターからスルーズリーダーへ』
ワイズマン:「こちらスルーズリーダー、どうした?」
ロングスカウター:『先ほど主催者サイドから連絡が入り、予定通り13:00から新型のお披露目会をするそうだ』
ワイズマン:「了解した。各員聞こえたな。半数はそれまでの間は休息に入れ。
もう半分は12:00までその場で警戒待機だ」
約全員:『ラジャー!!』




