鋼鉄のフェスティバル(中篇)-4
関心する様に感想を漏らすコジロウ。
実際、人だかりの中には【レイヴン】マニアの様な類の人間の他にも家族連れなど一般的な人らの姿もチラホラと確認できた。
【レイヴン】という存在の周知と認知が一般的にも浸透しているからだろうとは思われる。
ミカサ:「私たちはどうしようか?」
メイ:「流石にいっしょに固まって行動するのもなんだから二手に分かれて行動しましょ」
コジロウ:「ですな。お互いに見たいものなどもありますでしょうから待ち合わせ場所を決めてそれまで行動するべきですな」
ミカサ:「じゃあ、13:00前の12:55頃に新型お披露目会場前で」
それに納得した一同はそれぞれ2組に分かれて行動を開始していく。
コジロウとメイは先に物販の方へと向かうと言ってそちらの方へと移動する。
残されたのはミカサと会話に参加していなかったマキナだけだった。
ミカサ:「どうしようか?――――――っとマキナ。大丈夫?」
マキナ:「―――――ええ、ごめんなさい。少し、本隊からの通信を聞いてたから」
マキナはそう言いながら首筋のチョーカーから指を離す。
彼女の首に付いているチョーカーは【ヴィダール隊】の通信ネットワークを構築しており、作戦参加中の面々の会話を共有できる。
所謂無線のことであり、一般人として扮する際の擬装装備だったりも兼ねていた。
無論、欠点も多く、通信距離が決まっており、その範囲も会場全体であれば問題ないがそこより離れてしまうとノイズだらけでまともに通信を聞き取れないほどになってしまうと開発者はそう言っていたが――――
マキナ:(今の所、使えるから問題としては微々たるものか?)
ライアー辺りなら何かしら愚痴りそうなものかもしれないがマキナ自身はそういうボキャブラリーはない。
まあ、それはもういいかと切り替える様にマップを取りだしているミカサの方に近付く。
マキナ:「どこから行くの?」
ミカサ:「そうだね~・・・各企業の【レイヴン】の説明とか見に行く?」
マキナ:「ミカサが良ければ私は大丈夫だよ」
ミカサ:「じゃあそっちから行こうか」
そう言いながらマップを流し観しながら歩き始めるミカサだがすぐに正面の人物とぶつかってしまう。
ミカサ:「キャ・・・!」
?????:「おっと――――」
ぶつかった衝撃でバランスを崩し掛けるミカサだがぶつかってきた人物が即座に反応して彼女の身体をキャッチする。
マキナ:「ミカサ、大丈夫か?」
ミカサ:「う、うん・・・あ、すみませんでした!!」
?????:「いやいや、気にしないでいいぜ。おじさんも前方不注意だったからな」
謝罪するミカサに同じ様に返答する男性。
顔を上げたミカサは改めて男性の顔を見上げる。
男性はスーツ姿に少し長めの髪というビジネスマンとは少し違った印象を与えた。
特に顔に大きな傷があるのもまたそう感じさせたが不思議と強面ながらも威圧感を感じさせなかったが
ミカサ:(――――こわっ!!)
心の中でそう思ってしまったミカサ。




