鋼鉄のフェスティバル(中篇)-3
そんな最中、助手席に放っていた携帯端末がバイブレーション機能で震えていた。
それに気づいたガルダルフは端末を手に取り、通話ボタンを押して電話してきた相手に向けて声を出した。
ガルダルフ;「ハイハイ、こちら台湾亭~ただいま開店に向けての準備中なんで
ご注文は12:00からお願いしますねぇ~」
?????:『―――――そういう御冗談も出来るんですねミスター・ガルダルフ』
通話先の相手は一瞬の間をしながらもそう答えた。
相手側の困惑に笑みを浮かべながらガルダルフは口を開く。
ガルダルフ:「よぉ、イヴリースの旦那。少々面食らったかい?」
イヴリース:『まあ、多少は。アナタがここまでユーモアに富んでいたとは思ってなかっただけに』
ガルダルフ:「なにこんな商売を生業としている身でね、敵も多いだけに一種のカモフラージュってヤツさ。で、何用だい?約束の時間まではまだあると思うが?」
イヴリース:『ええ、時間があるのでせっかくですからとお誘いしたのですが、お嫌ですか?』
ガルダルフ:「なるほどね~・・・確かにこのままジッと待つのも退屈だとは思ってたからな、いいぜ」
ありがとうございます、と返答を受けた後、携帯端末の通話を切るとガルダルフは
自車のエンジンを掛ける。
ウィンカーを出した後、会場入り口へと向かうべく、駐車場へ車を走らせるのであった。
時刻は11:00。
会場は屋内・屋外共に賑やかさが増していく中、美神ミカサはその人混みの中に居た。
山田コジロウからのお誘いを受けて2日目の東京国際マシンナリィフェア会場へマキナらと共に足を運んだ。
私服姿のミカサとマキナは駅でコジロウとメイと合流してからモノレールで会場まで移動して今に至っている。
ミカサ:「凄い賑やかさと人だかりだよね」
コジロウ:「大半が物販目当てでござろうからな。閲覧サイトでも確認できる限りでも割と多いらしいですからな。土産物としてもコレクション物としても1つは手に
入れたいと思うのは人のサガというものですな」
そう言いながらリストを取りだし、周る順番を確認しているコジロウ。
メイもSNSをチェックして現在のフェスの人気っぷりを確認していた。
メイ:「やっぱなんだかんだと人来てるみたいだねぇ~SNSでも『今会場にいる~』とかちょくちょく見かけるね」
ミカサ:「思ってたよりも人気なんだねこのイベント」
コジロウ:「いや~マニア間では色々盛り上がっておりましたが・・・一般の方々も多いのは自分も驚きですな」




