鋼鉄のフェスティバル(前篇)-5
ハヤト:「これは国芳議員。実際に会うのはお久しぶりですね~」
国芳:「ほとんどがリモート通信だからね」
ハヤトからの返しに友達を思わせる様に気さくに返す国芳マサミ議員。
国土防衛に準ずる防衛大臣傘下の二世議員で次期防衛大臣と噂されているほど。
年齢はまだ40手前ではあるが評判などの世間体は悪くない。
イカルガ社長であるハヤトと親しいのは彼らの両親が大学時代の学友だったという
だけであるが【アームズレイヴン】普及に置いてはお互いに尽力したのも大きい。
ある意味では戦友とも言うべき間柄と言える。
ハヤト:「その節ではお世話になりました」
国芳:「いえいえ、【レイヴン】特に【AL】の必要性をイカルガ社長らが
必死に説いてくださったからですよ。私は単純にお膳立てに協力したまでですよ」
ハヤト:「そう言っていただけると恐縮ですが骨を折っただけのことはありますよ」
国芳:「メルクーア司令もご苦労様です。あ、今は筆頭秘書官でしたね」
メル:「お久しぶりです国芳議員。お心遣いありがとうございます」
会釈するメルクーア。
実は【ブリューナク】創立に関しては国芳議員も一枚かんでいた。
日本は建前などもあってか自衛隊以外の国家戦力の保有に関しては色々と制限は課せられている。
その為、【アームズレイヴン】の所有に関しては与野党問わず政府内でも大いに揉めたほど。
とはいえ、昨今の世界情勢や【ワークスレイヴン】の普及に伴うイカルガ社を始めとした日本のレイヴン製造メーカーが【アームズレイヴン】の必要性を説くべく、
団結して【イワト条約】を締結したのが3年前である。
今回の東京国際マシンナリィフェア開催は【レイヴン】普及10年を記念だけではなく、【イワト条約】締結から3年を記念した側面も大きいのである。
ハヤト:「率先して行動してくださった議員には本当に感謝しております」
国芳:「その分、今後は苦しくなるだろうと言われてますが、必要であるのであれば
政治家としての出世を投げ捨てる覚悟はありましたからね。こちらとしても感謝申し上げます。」
お互いに頭を下げ、お礼を言う両名。
そこへ近づきながら3人に向けて声を掛ける者がいた。
?????:「これはこれは国芳マサミ議員にイカルガ社長ではありませんか」
頭を上げた2人とメルクーアは声の主の方へと視線を向ける。
視線の先にはマゼンタのスーツ姿が似合っている男性が立っていた。
肩まで掛かるほどの整った長髪とは不思議と噛み合っている感じを与えており、それもあってか不自然とも云えるほど綺麗で注目を集めやすい印象を受ける。
近付いてきた男性は視線を向けた3人に向けて軽く会釈を行う。




