影にうごめく“脅威”-4
【マーナ=マークリル】の格納庫内は朝から活気というか血気盛んといった喧噪の様相を呈していた。
特に格納庫を始めとした【レイヴン】関連の熱気は凄まじく、それに伴う様に整備班を中心としたクルーらの怒号や慌ただしい動きが活発としていた。
そんな中に朝食を終えたライアーが大あくびをしながらワイズマンらとその様子を見ている。
ライアー:「朝から慌ただしいねぇ」
ワイズマン:「時期が時期だからな―――――“アレ”の調整も含めてな」
隣に居たワイズマンはそう言いながらハンガーに固定されている機体に視線を送る。
その機体は【ブリューナク】の保有している機体とは明らかに一線を画すというよりもやや系統が違うという印象を与えるものだ。
ライアー:「ありゃあ、確か【カシマ重工】のヤツか?」
ワイズマン:「ああ、【イカルガ重工】と【ブリューナク】が技術提供で共同開発した航空戦用アームズレイヴン【ガルーダ】だ」
そう言いながらワイズマンは【ガルーダ】の方へと視線を戻す。
機体サイズは【ガンクロウ】ら一般的なブリューナク配備の【AL】と変わらない大きさだがどことなく華奢かつ細さを思わせる形状をしていた。
ライアー:「思ってたよりも細っぽい外見だな」
ワイズマン:「【レイヴン】でも初とも云える“航空可変型アームズレイヴン”だからな。形状的にも航空機よりのサイズスケールに寄せる必要があったからな」
ライアー:「しかし、まさかの変形機構とはねぇ~まるでアニメやコミックとかに
登場しそうだよな」
ワイズマン:「ああ、ドリームがまさにリアルとなった機体だな。個人的には嬉しいがな」
そう言うワイズマンの顏は嬉しさを隠そうとしない嬉々とした感じの表情をしていた。
そこにロングスカウターと整備班長のエレニアがライアーとワイズマンの方へと歩いて来る。
エレニア:「あら、アンタ達も来てたんだ」
ライアー:「オレ達以外にもいるのか?」
ロングスカウター:「ヴィダール隊の他のメンバーはあそこにいるぞ」
ロングスカウターの指差した先にはライアーやワイズマンの様な隊員服を着込んだ
男女複数人が整備班と会話しながら【ガルーダ】の周りに群がっていた。
その様子にワイズマンは若干呆れた様子を見せる。
ワイズマン:「――――あいつら」
ライアー:「まあ、いいじゃないか。どっちにしてもこれからだろうしよ」
ロングスカウター:「“東京国際マシンナリィーフェア”か」




