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影にうごめく“脅威”-2

松田:「―――ちょっと場所を変えようか加藤さん」


そう言うと加藤と共に事件現場の外へ出ていく松田。

人気のない場所へと移動すると話を切り出す様に口を開く。


松田:「―――単刀直入に聞くが加藤さん、アンタこの一件どう思う」

加藤:「どうって聞かれてもまあ、裏があるのは確かだわな・・・

問題はその“裏が山の様に存在している”ことだが――――――」


だよな~と賛同と同時にため息を吐く松田。

単純な裏社会での抗争などであればそれに関する証拠が出てくるだろう。

何分、ここの事務所はとある指定暴力団と関わりがある――――有り体に

言ってしまえばその勢力の傘下の組織だ。

恐らくは末端と云えるだろうが意外にも繋がりは強い。

迂闊に手を出そうものならお礼参りとばかりに速攻で報復行動を即決しても

おかしくはないからだ。

しかし、そんな動きが今の所、感じられていないのである。


松田:「この手の輩に関しては暴対やらそっち方面が詳しいだろうから

俺の言うことはいわば推察とかそこら辺の話になるがなんか妙に巨大なヤマな

気がしなくもない、というべきか――――いや、碌に証拠もないんだがな」

加藤:「言いたいことはわかるよ。漠然とした部分もない訳じゃないが

ただの裏同士の争いとするには些か不自然とも云える要素が多すぎるからな」


そう言う加藤の表情はやや険しさを感じさせるものとなっている。

そんな表情をしながらも加藤は松田に質問するべく口を開く。


加藤:「松田さん、あそこの監視カメラは調べたの?」

松田:「残念だがカメラは壊されてた。他の監視システムも同様でな」

加藤:「記録も残らず?」

松田:「ああ、ご丁寧にここ数週間ほどのはデータ含めて全滅だ。警備会社に

問い合わせる手もないだろうが多分望みは薄いだろうな」


やってらんないぜ・・・と愚痴をこぼす松田。

それにご愁傷様、と小さく返す加藤。


加藤:「それで今後どうなると思う?」

松田:「例の件と合わせての調査になるだろうから然るべき所からも

調査協力はしてもらえると思う。ほら、例の民間軍事会社だよ」

加藤:「【ブリューナク】か」

松田:「なんとなく、信用できるかねぇ・・・割と秘密主義的な所もあると

聞くし、傭兵というよりも特撮ヒーロー作品に出る感じがあるというか」

加藤:「コンプライアンスはしっかりしてるだろうし、大丈夫でしょ。

まあ、言いたい気持ちは何となくわかるけどもね」


険しかった表情をいつもの気だるい感じのものにいつの間にか戻していた

加藤はそんな拍子で松田に言うと腰を少し伸ばす。


加藤:「じゃあ、悪かったね仕事の邪魔して。俺も用事があるからこれで

失礼するわ。あ、なんかあったら言える範囲で教えてくれると嬉しいわ」

松田:「なんでそんなに気になるんだ加藤さん?」

加藤:「俺じゃないよ――――ウチの可愛い問題児どもさ」


じゃあ、と手を上げてその場を後にする加藤。

それを見送りながらやれやれ、と言いながらもどこか苦笑する松田であった。

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