変わり始める“日常”-8
場所は変わり、本土にあるイカルガ重工の支社ビル。
最上階の一角にある社長用の応接室にイカルガ社長と
リチャード・アンダーソンの2人が部屋にいた。
イカルガ社長は部屋に備えたコーヒーセットで自家製のコーヒーを
焙煎しており、その傍らにリチャードに話しかけていた。
イカルガ:「すまないね。来る前に用意をしておきたかったんだが」
リチャード:「お構いなく。むしろ、コーヒーは淹れたてが一番の
美味さと風味を味わえますからな」
イカルガ:「そう言ってくれるとやりがいがありますね、
―――――っとさあ、どうぞ」
受け取ったコーヒーを嗅ぐリチャード。
かぐわしい香りを嗅ぎながらその後、コーヒーを口へと淹れていく。
しばしの沈黙の後、リチャードが口を開く。
リチャード:「うーむ、味としては以前の濃さが良さそうですなぁ」
イカルガ:「――――うん、ちょっと分量を少なめに調整した方が
良さそうだね・・・」
やっちまったなぁ~という顔をしながらコーヒーを飲むイカルガ社長。
それから本題に入る様にリチャードが切り込む様に口を開く。
リチャード:「今回の件、司令達に代わり、改めて感謝いたします」
そう言いながら深々と頭を下げる。
イカルガ社長は気にしない、気にしない、と言いながら頭を上げる様に促す。
イカルガ:「むしろ、感謝しているのはこっちの方だよ。
大佐にはいろいろと無理や迷惑を掛けているからね――――――」
リチャード:「ありがとうございます。こちらとしてもここまで
あの子とやってこれたのは社長や司令達のお陰でもあります」
イカルガ:「いやいや、ボクは何もしてないよ。――――しかし彼女も
変わったね~」
リチャード:「ですな・・・・・・」




