第5話 変わり始める“日常”-1
朝。
1日の始まりを告げるかの様に
陽が昇り始め、世間にその明るさを照らし始める時間。
木漏れ日が差す寝室において
美神ミカサはおもむろに目を覚ます。
上半身を起こし、眠気を覚ます様に背伸びをする。
ふとミカサはベッドの横に視線を移す。
彼女の隣にはもう一人が眠っていた。
その少女はラフな寝間着スタイルで静かに寝息を立てていた。
ミカサは隣の少女秋桜マキナの横顔を黙って見ていた。
ミカサ:(そういえば、“この前”から“一緒に住む”ことになったんだよね)
そう思いながらミカサは数日ほど前の出来事を思い返す。
話は【マーナ=マークリル】の艦長室でメルクーアから衝撃の一言を
聞いてミカサはあまりの唐突な提案に呆然とショックを受けていた。
ミカサ:「―――――――はい?」
リチャード:「まあ、ショックを受けるというかいきなりは流石に驚くよね」
イカルガ:『メルちゃん、やっぱいきなりはマズかったと思うよ?』
メル:「ですがお二人とも嬉々として賛同してくれたじゃないですか・・・!!」
マキナ:「ミカサ、大丈夫?」
ミカサ:「―――――――ハッ!?」
半ば放心状態だったミカサだが我に返る。
あまりにも想定外の言葉が出てきたのでミカサの思考回路が
一時的にショートしてしまったと云える。
再起動によってようやく言葉の意味を問えるぐらいの思考力を回復する。
ミカサ:「あの、マキナ―――さんと一緒に暮らすというのは
つまり・・・・・ど、ど、『同棲する』ってことでよ、よ、よ・・・
よろしいでございますでしょうか?」
メル:「有り体に言えば、そうなりますね」
ストレートに言い切るメルクーア。
その言葉を聞いてミカサは宇宙空間に佇んでいるネコの様な目が点となっていた。




