“エッグ”という名のギフト―3
リチャード:「ささ、どうぞ。砂糖やミルクもありますのでブラックが苦手でしたら調節を」
ミカサ:「ありがとうございます」
リチャードにお礼を言うとコーヒーが注がれたカップを手に取り、
ミカサは自身の口へと淹れたてのコーヒーを飲む。
砂糖とミルクを淹れてはいるが苦味は甘味にマッチする様な舌触りさを感じさせる美味しさだった。
ミカサ:「美味しい・・・!」
思わず漏れた一言にリチャードは思わず笑みをこぼす。
リチャード:「お口に合って何よりだ。インスタントでも選り好みする人間も多いから凄く心配したもので」
ミカサ:「いえ、本当に美味しいです!よくインスタントでも美味しく淹れられるってことは知ったりしてますが
これは本当に美味しいです!」
マキナ:「ええ、アンダーソン艦長のコーヒーはインスタントでもとても美味しいのです。艦長自身はあまりそこら辺を気にしていない様に見えるけども非常に美味しいです。私も好みらしいものは無いのだけども艦長のコーヒーは格別です」
リチャード:「そう言われるとおじさんとしては嬉しいがね~」
あまりにも褒められたのが嬉しかったからか思わず照れる様子を見せるリチャード。
静かにコーヒーを飲んでいたメルクーアはカップをテーブルを置くとひと息付くと
同時にミカサの方へと視線を向けて口を開いた。
メル:「まずは理由や説明もなく、急遽お連れしたことを謝罪させてください」
ミカサ:「いえ、そんな!確かにちょっと色々起こり過ぎて正直混乱しているのも
事実ですけどもとにかく、頭を上げてください」
頭を下げて謝罪するメルクーアにミカサは慌てる様子を見せるも大丈夫ですからと
顔を上げる様、促す。
わかりましたと頭を上げるメルクーアは本題に入る為、リチャードに資料を出す様に指示を出す。
メル:「今回、ミカサさんをこちらにお呼びしたのは何故ミカサさんが狙われているかについて早急に説明するべきだと判断したからです」
ミカサ:「それってやはりこの前からの襲撃者のことですか?」
ミカサの問いにメルクーアは頷き、ミカサの隣に座っていたマキナも無言で肯定の
意志を示す。
高校生になってからマキナと出会ったこの数日だけで唐突に色々なことが起こった。
あまりにも起こり過ぎて、もしかして夢なんではないかと現実逃避的な考えも何度もしようとしたがそれをしても解決にはならないのも今までの出来事でも何となく理解は出来ていた。
メル:「単刀直入に言わせていただきます。ミカサさんにはご本人も知らない“あるモノ”が貴女にはあるのです」




