“エッグ”という名のギフト―2
挨拶と同時に手を伸ばすメルクーア。
ミカサは一瞬、戸惑いながらも無碍に出来ないと
彼女の手を握り、握手を交わす。
笑みを浮かべるメルクーアとマキナ。
それを見た艦長風の男性が間に入るべく、咳払いをする。
リチャード:「司令。立ち話もなんですし、ミカサ嬢も一息欲しいでしょうし
報告などもする為にも場所を移しましょうか」
メル:「そうですね――――ミカサさん、よろしいでしょうか?」
ミカサ:「あ、はい!私のことはお気になさらず・・・!!」
幾ばくかの緊張感も残っている為か、若干キョドってしまうミカサ。
その様子にクスリと笑みを浮かべながら、マキナと共に先導する。
そんな3人を後ろから見やるリチャード艦長は
リチャード:(――――司令もだが、マキナ少尉も本来ならばミカサ嬢と並んで
まだまだ年端のいかない少女だと思うはず―――なのだがな―――無情だな―――)
そう述懐しながら被っていた帽子を深々と被り直し、彼女らの後を追う様に足を動かしていく。
場所は【マーナ=マークリル】の艦長室へと移動する。
内装は艦長であるリチャードの趣味が反映されているのか、モダンな室内といった感じでアニメなどで見る様な殺風景な艦内の様子とは違った感じだった。
来客用のソファーへと腰を降ろしているミカサ達にリチャードは備え付けていた
コーヒーメーカーを操作しながら、声を彼女達に掛ける。
リチャード:「ホントはアールグレイなどの紅茶を思ったのですが切らしてまして・・・インスタントのコーヒーで申し訳ないですが。勿論、お口に合う様にしておりますからご心配なく」
ミカサ:「いえ、ありがとうございます!私、紅茶よりもコーヒーの方が好きなので」
メル:「でしたらなによりです。艦長の淹れるコーヒーはインスタントでも格別ですよ」
リチャード:「いやいや、暇な時には研究しているが故ですよ」
マキナ:「ご謙遜を。アンダーソン艦長のコーヒーは皆からも賞賛されています」
リチャード:「そう褒められると嬉しいものだね~」
笑みを浮かべながら人数分の用意をするリチャード。




