表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/97

日常に溶け込む “違和感”―3

美神ミカサは机に突っ伏していた。

疲労から来るものでもないし、睡眠不足によるものでもない。

ただ、考え事をしてるが故で、表情を今は誰にも見られたくないからだ。


ミカサ:「―――――――」


ミカサは黙して考えた。

内容は云うまでもないこの前の出来事だ。

突如としてその姿を現した謎の覆面軍団とそれが操る鉄の巨人【レイヴン】。

同様に突然現れ、それらを瞬く間に沈黙させた銀色の巨人。

そこから姿を現した少女――――“秋桜マキナ”

時期外れの転校生。

出逢ってまだ浅い時間ながらも交流した不思議な感じを抱かせる少女。

そんな彼女のまだ知らない別の姿。

表と裏の様な二面性とも取れる彼女に魅了されると同時にどこか“違和感”を

ミカサは抱いていた。


ミカサ:「―――――――」


まるでアニメやマンガ、ゲームを思わせる様だとミカサは思った。

だとすれば自分は主人公かそれともヒロインか。

はたまた事態を呑み込めていないだけのモブか。

あの出来事の後、ずっと彼女はそんな違和感が楔として残っていた。

そんな突っ伏している彼女にその違和感を抱かせている少女が声を掛けてきた。


マキナ:「どうした、ミカサ。体調が優れないのか?」


隣の己の席にカバンを降ろしながらマキナはミカサに語り掛ける。

淡白な物言いではあったがそこには少なからず不安の色を混ぜている感じもした。

突っ伏したまま、ミカサはマキナに返事をする。


ミカサ:「おはようマキナ。――――別に問題はないよ。ちょっと考え事してるだけ・・・」

マキナ:「――――そうか。その様子をしている人間は少なからず悩みを抱いていると聞いてたが」

ミカサ:「誰が言ってたの?」

マキナ:「私の知人だ。日本人ではないが彼から色々教えてもらった」


その知人がマキナのどこか間の抜けたというか不可思議な行動の原因か、と頭を過ぎったが

今はさほど重要な要素ではないと判断するミカサ。

すぐに返答できたことに安堵したのか席に着くマキナ。

そこに級友たちも近づいてきた。


メイ:「おはようマキちゃん~。ミっちゃんは学校来てからずっとあの調子なんよね~」

コジロウ:「おはようでござる。ミカミカ殿は問題ないと言っているってござるが友としては相談に乗れるなら乗りたいでござるが

おそらくは拙者らに相談できない内容ではないかと思ってるでござる」

ミカサ:(――――鋭い)


メイとコジロウの言葉に聞き耳を立てていたミカサは内心そう思った。

今、自分が抱えている悩みは彼らに共有できるものではないからだ。

ミカサは隣席に座るマキナを突っ伏したまま顔を少し動かし横目で見る。

同時に“あの出来事”を思い返していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ