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妖婦

作者: 雨宮フヨ

突然思いついたので記録として残しておこうと思いました。

与太は神社に落書きをしてしまった。少しの腹いせだった。学校で嫌な事があったのだろうか。彼は可哀想な人だろう。



2024年5月30日。体育の授業中での出来事だ。与太は運動が苦手なので積極的に参加していなかっ た。

「与太いけっ。」

チームメイトがパスを回す。最近の授業内容はサッカーだ。

「あ、ごめん!ミスった。」

ボールが離れていく。すると相手チームから声が聞こえてきた。

「しっかりやれよ!これじゃつまらん。」

その瞬間怒りが沸いた。

「うるさいな。」

小声で呟く。相手には聞こえていないだろう。



放課後になっても与太の怒りはまだ収まらなかった。与太はよからぬ事を考えてしまった。与太は理性を失っている。

「神社に落書きをしよう。」

与太は考えた。神社に向かう前にお店にスプレー缶を買いに向かった。いざ店に着いたがスプレー缶の場所が分からない。店員に聞くことにした。

「スプレー缶はありますか?壁とかにかけるやつです。出来れば色んな色があると嬉しいです。」

「スプレー缶ならあちらにあります。」

店員は指をさして教えた。

「ありがとうございます。」

無事スプレー缶を買うことができた。あとは神社に向かうだけだ。

「やっと着いた。」

神社に到着した。落書きに最適な場所を探したがやはり見つからない。どうでもよくなり落ちていた石を広い扁額に投げつけた。扁額には傷がついた。すると突然声が聞こえてきた。

「あなたはやってしまった。あなたは運が悪かったです。しかしこれもルール。しっかりと受け止めてください。」

与太は怖くなり置いたままのスプレー缶も取らずに全速力で逃げ出した。



夜になり与太は昼間のことを思い出し怖くなった。電話で誰かに聞いてほしいと思いアプリを開いた。

このアプリは見ず知らずの人と電話するアプリだ。

電話が繋がった。

「こんばんは。僕の話聞いてくれますか?」

「いいですよー!私暇なんで。」

「ありがとうございます!今日神社で不思議なことが起きたんです。」

「不思議なこと?」

「はい。今日神社に行ったら僕以外に誰も居ないのに声が聞こえたんです。女の人の声がです。」

「女の人の声?なんて言ってたか分かります?」

「うーん。あまり覚えていないですがあなたは運が悪かったって言ってたような気がします。」

「あなたがなにかした訳ではないですよね?」

「はい。僕はなにもしていません。」

与太は少し焦った。

「すごい不思議ですね。少し怖くなっちゃいました。」

「僕の方が怖いですよ!この先何があるかわからないですし。」

「確かにそうですね。」

彼女は少し笑った。

それから与太と彼女は30分ほど他愛もない話をした。

「今日は楽しかったです!ぜひ今度も電話しましょう。」

「僕も楽しかったです!こちらこそまた電話したいです。」

「じゃあまた今度。さようなら〜。」

「さようなら〜」

与太は彼女と話しているうちに心が軽くなった。



それからしばらくの間与太と彼女は電話を繰り返しさらに仲良くなった。

「ねえ。私たちリアルで会わない?私会ってみたいな〜。」

「えー。恥ずかしいしもし問題が起きたりしてもやだしなー。」

「大丈夫!私変なことしないから。今までの電話で変なことしない人ってわかったでしょ?」

「確かに変なことはしないと思うけど。うーん。でもお金がなー。」

「お金なら大丈夫!私があなたの家の方まで行くから!初めて電話した時に言ってた不思議な神社、私行ってみたいの!」

「あの神社か!あれから怖くて行ってないんだよねー。」

「いいでしょ!いいでしょ!会おうよ!」

「なんでそんな会いたいの?」

「理由なんでどーだっていいじゃん!ね。」

「わかった。じゃあ来週の土曜日でいい?」

「うん。大丈夫。じゃあまた今度!バイバイ!」

「バイバイ!」



2024年9月7日。与太は寝坊をした。急いで支度をして集合場所の神社へ向かった。時間は過ぎているはずなのに誰もいない。与太は電話をかけようとした。するとまたあの声が聞こえてきた。

「ちゃんと来ましたね。可哀想な子。私を恨まないでください。これもルールですので。」

声が聞こえなった。与太は怖くなり逃げ出そうと後ろを向いたら、少女がいた。

「ごめんなさい!」

少女は言葉と同時に与太に触れた。その瞬間に与太は倒れてしまった。

「しょうがないよね。あなたがルールを破ったんだから。当然の報いだよ。」

与太が最後に見たのは少女の不敵な笑みだった。



ありがとうございました。

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