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カタツムリ  作者: みかん
美咲
5/7

動き始め

次の日学校とバイトが休みだったので庭の手入れをす


ることにした。正直見てみぬ振りをしていたこともあ


り若干億劫。右隣は美咲の家と同じくオレンジの琉球


瓦に木造建築。台風の通り道である沖縄ではコンクリ


ート造りの家も多いが、少し古い家になると背丈の低


い木造建築も見られる。美咲は改めて隣家の前に立っ


た。人がいなくなって久しいことは明らかだ。つる植


物が居間であっただろう場所まで侵入していた。薄紫


の花を大量に咲かせている。家は森へ引きずり込まれ


ていた。美咲の家の左隣は竹林から森に繋がる。回れ


右をした正面もこれまた廃墟だろう。西洋づくりの立


派な建物だがあがりが付いた試しがない。


こちらはまだ侵食されていない。美咲が学校に通い始


めたのが4月だから半年は人が住んでいないお屋敷。


異常なまでに植物が手を出していない。門前まで行き


少し下がって2階の大きな窓を覗きこむ。木版画で彫


らない部分に墨をつけたように黒い。昼間なのに


中が見えないのはカーテンがかかってるからなのか。


黒いカーテンが施されている…のか。


とにかく人はいないようだ。伸び放題の草を放置にし


てた理由として隣人がいないということだ。誰にも迷


惑をかけていない。そうなると後回しにするのが人の


常というものである。美咲はひとり合点顔で腰に手を


当て何故か満足そうであった。

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