表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カタツムリ  作者: みかん
美咲
2/7

ばあちゃん

美咲は去年沖縄に引っ越してきた。沖縄の短大に進学


を決めたのはおばあちゃんが沖縄に住んでいるからだ。


地元にも学べる学校はあったが、おばあちゃんと一緒


に暮らしたかった。ばあちゃんの家には夏休みや春休


みに遊びにきて、とても楽しかった思い出がある。


海に行って、スイカ食べて、お昼寝して、散歩して、


また海に行って…。忙しくない限り毎年夏は家族で沖


縄にいた。その思い出からばあちゃんと暮らせるし海は


あるし、楽しいだろうと沖縄に来た。ばあちゃんは優


しかった。毎年私たちが来ると分かった時にはサータ


ーアンダギーを山盛りに作ってくれていた。いっつも


笑って、のんびりしてて、楽しい、天国だと思った。


家の近所には森があって、海も近い、なんだかゆ


ったりとした空気が流れていて大好きだった。




「ばあちゃん、バイト行ってくるよ。」


落ちかけている花をコップに差し直し、ばあちゃん


の写真に向かって声を掛けてから家をでる。選挙カー


が爆音で家の前を通り過ぎるのを意味なく目で追いか


けながらバイトに向かう。途中折り畳み傘が風に煽ら


れ寸胴のコップのようになる。いつものことだ。日傘


なんてどこのお嬢だと思っていたが、この日差しを浴


びるとバイト先に着いたときにはもう力尽きている。


私は自分の体力を死守しているのだと日差しと闘う通


勤道だ。


私の中で祖母はお父さんの方のおばあちゃん、ばあち


ゃんはお母さんの方のおばあちゃんと決めている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ