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第41話「大亀の記憶、竹と傍観者」

「おはようござ……えっ」

 いつもより遅くに目覚めてしまった三笠は宛がわれた自室からのそのそと這い出す。障子を開けてすぐそこで目にした光景に、彼は瞬きを繰り返した。

「だ、大丈夫ですか?」

 廊下のど真ん中で津和野が伸びていた。周囲に紙を散らして、うつ伏せの状態で通り道を塞いでいる。まるで行き倒れたかのような状態に慄きながら三笠は近づいた。

「だ……あ、ぁ……死ぬかと、思った。いや、実際には死んでる、けど」

 眠たげな低い声はむにゃむにゃとそんなことを言う。三笠に気が付く様子のない彼にの目の前で手を振れば、津和野は鈍い反応を示した。

「……あぇ、なんだ、あんたかぁ」

 のそり、と顔を上げた津和野と目があう。三笠は少し気まずくなったものの、目を逸らさずに手を差し伸べた。

「とりあえず……床、よくないと思うので」

「親切にどうも……」

 津和野は顔を顰めつつも、三笠の手をとってゆっくりと立ち上がった。それから二人は食事をとるために居間へ向かう。

「えっと、何やってたんですか?」

「カメさんの記憶を覗いてたんだよ。白根さんにいい具合に丸め込まれてさぁ……でも見るんじゃなかった」

 こめかみに汗を滲ませながら津和野はそう言った。彼は居間に入るなり机の上に置かれていたコップを手に取って、その中身が無いことにまた顔を顰める。

「カメ殺したのはあんたか」

 その不機嫌そうな顔のまま、彼は三笠に問いかけてきた。厳密にいえば殺すまでは至っていないのだが……致命的な行動不能に至らせたのは確かに三笠だ。得も言われぬ威圧感に、三笠は息を飲んで頷く。

「なるほど、ね……」

 小さくそう呟きながら津和野はノートを開くと、鬼のような形相でそこに何かを書き出し始めた。その場で突っ立って待つことも気が引けた三笠は、朝食を作ることにした。もちろん二人分だ。間借りしている家ではあるが、敷宮探偵事務所のメンバーであれば冷蔵庫内も自由に使っていいと日の出堂の主が言ってくれている。

(思ったより普通の中身だったな)

 奇をてらうことに全力な日の出堂の主のことだ。三笠はてっきり、あまり使える食材が入っていないものだと思っていた。しかしどうも愛弟子たちが全力で止めたらしい。冷蔵庫の中にはごく普通の、使いやすい食材が詰まっていた。

 三笠が久々の調理に四苦八苦したのちも、津和野は何かを書いているようだった。床の上で丸くなりながら、その手を必死に動かしている。背後から少しだけその内容を見ようとした三笠だったが、覗き込んだ紙面には達筆な文字が連なっていた。

「あの、津和野さん。ご飯ここに置いときますね」

 そう声をかければ、青年は鈍く反応を示す。

「ん……? あ、え? それ俺の分?」

 少し意外そうに津和野は尋ねた。どこかあどけないその表情に三笠は頷いて返す。

「そうです。いらなかったら僕が食べるので」

「いや……いる。食べる。超おなかすいた」

 そう言って津和野は三笠の手から、半ばひったくるようにしてワンプレートの朝食を取る。スクランブルエッグに茹でキャベツ、それからフライパンで焼いたトースト。あまりにもシンプルなそれに二人は箸をつける。

「え、スクランブルエッグにケチャップ?」

「えっ、かけないんですか」

 津和野の指摘に目を丸くする。ケチャップを持ったまま硬直する三笠に津和野は首を傾げた。

「醤油じゃないの……?」

「えっ……」

 二人は思わぬところで黙する。

「僕は……醤油は目玉焼きにかけますね」

 目玉焼きでもよかったな、などと考えながら三笠は醤油さしを指す。しかし津和野は首を傾げてケチャップを示した。

「え、目玉焼きはケチャップだろ?」

「なる……ほど……?」

「え、そんなことある?」

 それを皮切りに津和野は一気に表情を綻ばせた。

「そんなに面白いことですかねぇ……」

 三笠としてはそこまで面白いことと思えない。それでも津和野にとっては面白いことだったらしい。うんうん、と頷きながら彼はスクランブルエッグを口にする。それを飲み込んでから津和野は唐突に話を切り出した。

「んで、カメさんの記憶なんだけどさ」

「えっ、あ、はい」

 その舵きりについて行けずに三笠はむせかける。津和野はそれが落ち着くのを待ってから話を続けた。

「三笠が倒したって言うなら、生きている間に刻印を施した人はいない。記憶の中に存在はしなかったよ」

「そもそも……あったんですね、刻印」

「あ、そうか。聞いてないのか。あったよ。搬入先の室に聞いたらあった。ええと、左胸の辺りだったかな……だから異形化した後に施すのは難しいと思って」

「そう、ですね。あの下に潜り込むなんて無理だったと思います」

 三笠はあの時のことを思い出しながらそんなコメントを添える。

「でしょ。だから俺も人の姿の内にされたのかなって思ったんだけど……違った。他の手に入れられた記憶も見たけど、該当しそうなのは無かったわ」

 そう言って津和野はトーストをかじった。口いっぱいに頬張るその姿がどこか小動物に見えてしまい、思わず頬を緩めてしまう。津和野はそれに気づかず、そのままトーストを食べきった。

「気絶してる間とか……そういうのは記憶に残らないのでは?」

「ん? あぁ、まぁ意識が無かったらそうかもね。でもなんてーか、この場合の記憶は魂の記憶だから。身体の記憶って言ったらいい? とりあえずそういうのは関係ないかな。他の見てもそんな感じ」

 三笠の疑問に彼は丁寧に、己の身体を指し示しながら答える。意識を失っていても音は途切れずに残っているらしい。映像は人によるので、一概に関係ないとも言えないらしいが。

「強い妄想とか、思い込みも記憶として反映されることもある。簡単に何が記憶になってならなくてー……てのは言いにくいんだよね」

 この辺りは少しややこしいんだ、そう言って津和野は説明を切る。

「……って、他のスペクターのもあったんですか」

「え? 今? ……いやまぁ、あったよ。あの室には兄さんがいるからさ。そういうのもアーカイブとして保存しとくことになってる。だからそれを複製してもらって……ね」

 津和野いわく、使う魔術の性質上、人間以外の生き物の記憶は上手く見ることができないらしい。記憶が上手く抽出、再生できる。それは即ち、元人間であった証拠の一つになるのだと彼は話す。

「そうだったんですか……」

「んでも、そうだな……そうとなると、俺としては思い当たることが一つしかないっていうか」

「思い当たることですか? 誰が刻印をしたのか、もう目星があるっていう……」

「うーん、いや、分かんない。俺自身こんなの初めてだからさ。まだ可能性の一つってだけ」

 彼は首を横に振りながらそう言った。津和野としてはまだ確信が持てないうちは話したくないらしい。その後何度か問いかけてみたが、津和野は全く教えてくれなかった。

「そうか……あの、もしかして何ですけど、そのアーカイブに初瀬幸嗣の記憶ってあるんですか?」

「…………ある、けど。何? 見たいの?」

「はい」

 三笠の迷いなき返事に津和野はぎゅっと眉間に皺を刻んだ。

「止めときなよ。初瀬幸嗣って、例のモズでしょ? そんなヤツの記憶見るのは、精神衛生上よくない。知らないと思うから言うけどさ、あれって要は追体験なんだ。だから痛いところは痛いし、苦しいところは苦しい。だから俺はお勧めしない」

 きっぱりと津和野はそう言った。

「それであんなに消耗して……」

「まぁ……うん。俺の場合は知ってて覚悟してるし、こういうのは数こなしてるから。でも三笠は違うでしょ。俺が見るまで待てないの?」

「……待てません」

「そんなに駄々こねる人だったっけ? いや、でもそうか……諦め悪いもんな」

 津和野は「馬鹿なのか知らないけど」などと少しばかり失礼な独り言を言った後に、ぱっと顔を上げる。

「じゃあさ、せめて俺が納得できるような理由を話してよ」

「い、いいんですか?」

「話せたらね? だって諦め悪いじゃん」

「……それは悪口では?」

「自覚ないの? 逆に。あんなことしておいてさぁ」

「あんなこと……あ、もしかして」

 三笠の中で津和野と対峙した時の記憶が蘇る。確かにあの時はいつもより強く粘ったかもしれない。それを彼は「諦めが悪い」と言っているのだろう。彼の中での三笠の印象がそれに染まり切っているのはやや不満だが、仕方のないことと割り切るしかない。

「それで何で見たいの?」

 三笠は少し考え込む。果たして彼に、今自分が考えていることをそのままぶつけてしまってもいいのだろうか。少しの迷いを振り払うように、顔を上げて津和野の瞳を見る。初めて若竹色のそれと目が合った。

「……あの、僕の家のことは知ってますよね」

「あぁ、三笠の家? それは……どういう」

「十月事件の被害者が僕の祖父母なんです。それで、僕はあの人にその時会ってるんです。殺されかけたんですけど」

「へ、へえ……そりゃ壮絶な体験をなさってぇ……」

 何故かドン引きしている津和野に、少しばかりの引け目を感じながら三笠は続ける。

「でもその時のことって、今でも分からないことの方が多いんです」

「何だっけ? 捜査が杜撰だったんだって?」

「それが一般的に言われているんですけど……僕は違うって思ってるんです。それを確かめるために、あの人の記憶が見たいんです」

「……ふーん、なるほどね」

 そう言ってから津和野は黙り込む。深く考え込んでいるらしく、十分ほどその状態が続いた。

 三笠はその間、ただひたすらに黙って待った。

「あのさ、分かった。見せるのはいいよ」

「ほ、本当ですか!」

「でも三笠が見たものを俺も把握する必要がある。から……式神をつける。つまりそこで何を見ようと、隠し事はできないって思ってほしい。そこで見たことは俺にも伝わるようにする」

「……解りました。それでもいいのでお願いします」

「ん、そう。じゃあちょっと準備するから」

 そう言って津和野は皿を持って立ち上がる。いつの間にか彼は食べ終わっていた。

「……あの、津和野さん?」

 しかし彼はその場に突っ立って動かない。不思議に思った三笠が声をかけると少しその肩が動く。

「あのさ、三笠はさ」

「は、はい」

「怖くないの」

 彼は振り返らないまま、そう問いかけてきた。三笠はぎょっとしつつも、その問いに答えるべく口を開く。

「え、まぁ……確かに、追体験ってなったらそりゃ怖いですよ」

 あの幸嗣がどんなものを見て、どんな世界で育ってきたのか。三笠は知ることになるだろう。理解が追い付くのは喜ばしい反面、人を傷つける行為であることもよく知っている。そんな葛藤を怖いと感じるのを三笠は否定できなかった。しかし、津和野の質問の意図には添えていなかったらしい。彼は首を横に振って言い直す。

「違うよ。戦うことだよ。俺は戦闘結果とか、そういう報告書も見てるから……三笠が何度も戦ってるってことは、知ってる」

「それは……怖い、ですよ」

 その答えを聞いて津和野がゆっくり振り返る。その瞳はどこか縋るような、弱々しい光をたたえていた。それに三笠は困惑する。

(この人は……僕に何を求めているんだろう)

 困惑を飲み込んで、回答を続ける。これだ、と思う言葉を三笠は喉の奥から引きずり出す。

「怖いです。僕だって、最強無敵ってわけじゃないので……僕に欠点がいっぱいあることはご存じだと思うんですけど」

「まぁ……知らないわけじゃないけど」

「確かに言われてみればそうなんです。そんなに強くないのに、どうして戦えるのかって話ですよね。怖いです。死ぬかもしないって、肌で感じますから」

 相手の魔力や、魔術式を肌で感じる世界。

 一瞬のやり取りですべてが決まる世界。長く戦うことはほとんどない。短い時間が少し連なるだけだ。永遠に続くわけではない。

「でも、自分が守りたいものを守るには僕自身が動かなきゃいけないと思うので。自分が望むものを手に入れたいのなら、自分で戦って、向き合わなきゃって思ったんです。で、でもあれですよ、あれ!」

 必死にまとめようとして、上手くいかずにもたつく。それをごまかすように手を動かすも三笠の脳は上手い言葉を選び出せない。やや間が空く。

「……僕は! ぶっ飛ばすしか能がないから、戦うっていう選択をしたんです。そりゃ、他の人から見たら、たくさんの選択肢から僕がそれを選び出したと思われても、しょうがないとは思います。でも……本当は、これ以外にそれらしい道を見いだせなかった、というのが正しいんです」

 人との衝突を避けた。避けすぎて会話のタイミングを逃した。気づいた時には戦闘に発展している。それに応じて同じ手段を取る。

「かっこよく言えたらいいんですけど、そういう嘘はつけないんで正直に言います。自分には魔術これしかないのだと思って、決めつけて。勝手に絶望して他の道を見失っていました。最初は『死にたくない』ってだけで戦ってましたから」

 しかしそれでは、望まぬ結果を招く。自分の命も危うい。そこから最上の結果を求め始めたのが転機だったのだろう。

「だから僕は、本当は戦うつもりなんて毛頭ないんです。誰かをこの手で傷つけるのは、やっぱり嫌ですよ。だけど手段を選べるようになるには、ある程度強くなければいけないって知りました。話だけではどうしても決まりきらないことがあるとも、知りました。だから今は戦っているんです」

「……それ、本当?」

 彼の問いかけに、三笠は表情を溶かして返す。

「こういうところで噓はつけないんです。情けないところも全部言っちゃうんですよね。ビビりですから。でも、ほら。僕こんなこと言いましたけど、まだぐるぐると同じところを回ってしまうこともあって……だから、怖いものは怖いです」

「────怖がっていいってことだよな?」

「いいと思います。僕は否定できませんから」

 落ち着いた声で三笠はそう返した。そこだけは確かだ。彼はそれで少し安心したのだろうか、ぽろぽろと言葉を零していく。

「あのね。俺さ、死ぬのが怖くて戦わずに来たんだよ。あの時もあの時も、怖くなって逃げたんだ。でも、戦わなきゃいけない瞬間とか、戦えなきゃ得られない結果だってある。俺はそれをことごとく取り逃してきた」

 小さな声で「俺だって皆の足は引っ張りたくないよ」と呟く。

「そう、ですよね……」

 彼はただ、守ってほしくて藻掻いているのではなかったらしい。選び取ろうと必死にばたついているというのが正しいだろうか。その姿に、三笠は一瞬目を伏せた。

「怖かったんだよ。お金もないのは知ってるし、他の余裕がないのも分かってるし……なおさら色んなことができるようになった方がいいだろうって。今だって戦える人手が足りてないわけだし……いや、思いっきり足を引っ張るような真似はしたけどさ」

「あ、あー……まぁ、いい方法ではなかったですけど。でも所長の言う通り、うちには必要な仕事だと思います。そりゃ、あれはいい方法ではなかったですけど!」

「津和野さん」

「……何?」

 名を呼んで改めてその瞳を見る。少しばかり威圧感のある若竹色に三笠はぐっと息を飲んだ。それでも目を逸らさずに話せ、と自分に言い聞かせる。

「ベタな話ですけど、戦い方はそれぞれです。僕がこうしているから、あなたが同じことをしなければいけないという道理はない。あなたの得意分野はきっと、僕には不得意なところですから。津和野さん自身が成果を感じれてないのかもしれませんけど……僕はあなたの仕事に、確実に助けられています。それは誇っていいと思います」

 本当のことだ。書類仕事をてきぱきこなすにはそれなりの熟練度とスキルが必要だ。敷宮白根が言った通り、現状彼の代わりを務められる者は事務所にいない。

「ガンガン殴るだけが戦い方ではないので……津和野さんは、津和野さんの武器で戦えばいいと思うんです。例え逃げたとしても、それは次に繋げられます。そのバトンを僕に渡してくれれば、僕が一緒に戦いますから。だから、逃げることに引け目を感じないでください」

 ──言い切った。

 恐る恐る彼の方を見る。津和野は黙ったまま何かを考えている様子だった。この言葉がどう受け取られたのか。三笠はそれに意識を持って行かれる。嫌な汗をかいているような気さえしてきた。そのタイミングで津和野は声を出して小さく笑った。

「っはは、そうか、なるほど。いやー、もっと根性論で言われるかと思った」

「え、えぇ……?」

 思わぬ津和野の反応に三笠は反射的に眉をひそめてしまう。そんな三笠の反応を気にしていないのか、彼は腹を抱えながらこう結論付けた。

「そうね。誇りはよく分からないけど、本当は見失っているだけで方法は一つじゃないし、逃げるのも、決して悪いことではない、と。確かに、戦えたとしても常に死ぬかもしれないというリスクは付きまとってる、もんな」

「そう! です、すみません……上手く言えなくて」

「いいよ。魔術は確かに手段が多い方が有利だし」

 何故かドヤ顔をしながら津和野は頷いてくれる。そして、

「俺の仕事がすごいって思ってくれるんなら、もう少し報告書は詳しく書いてほしいな。記憶関連のヤツも最重要だから」

 と付け加えた。その言葉で三笠はハッとして、慌てて頭を下げた。

「が、頑張ります」

 思い起こしてみればあまり上手く報告書が書けたことがない。それで苦労していたのは確実に津和野だろう。重ねて謝ろうとする三笠を手で制して、津和野は小さく頷いてから空になった皿を持ち上げて見せる。

「ごはんありがと。ごちそうさまでした」

 少し照れくさそうな声でそそくさと彼はその場を去る。

「……はい、ありがとうございます」

 その背に向かって、三笠もまた感謝の言葉を投げかけておいた。


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