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チートでもいいでしょう?  作者: ヤーチャン
4章・商会設立
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77.5話・唯と絵里のダンジョン攻略1

絢ちゃんが通った道を、唯たちが通る。

 私と絵里先生は絢様にダンジョンに放り込まれてから10分ほどが経った、今日の訓練はこのダンジョンを今日中に100階層攻略することだが、昨日絢様が言っていた所よりも、一階層下に送られた上に、魔物の強さが、地上よりも数倍強い、でも絢様は私たち二人ならできると言っていたから多分できるんだと思う……多分。


「先生大丈夫ですか?」


「はい、まだまだいけます」


 先生は強がっているが、かなり息が上がっている、このダンジョンに入ってから1分に一回は魔物が寄ってきて戦闘になる、このたった10分で、既に50体以上の魔物を倒している、先生もかなりの回数魔法を使った、絢様は先生に魔力効率を上げるスキルを付与したとは言っていたが、何故か森を抜けている時よりも一回の戦闘の魔力の減りが早いような気がする、私も身体強化の倍率調整がうまくいかない、使っている間、常に最大倍率になっている気もする、

 そんなことを考えていると犬の唸り声を10倍にしたような音が聞こえてくる。


「先生……来ました」


「私にも聞こえました」


 それから私達は再び来た魔物と交戦を開始した。


△▼△▼△▼△▼


 大体1時間ほどたっただろうか、私達は何十回と交戦し、魔力の容量を上げていったが、回復量が少ないせいで、今持っている魔力はかなり少ない、少し休むために隠れやすそうなところを探していると、今まで何度も聞いて生きた音が、何倍にも数が増えて聞こえる、実際近づいてきた魔物は何十倍にも増えている。


「先生、まだいけますか?」


「生徒に負けるほど、弱い先生じゃないですよ」


 先生は口では強がっているが、足は震えていて、ダンジョンに入る前に渡された杖に全体重を預けている、絶対大丈夫ではない、しかし逃げることは不可能、生きるためには交戦して勝つしかない、そのまま私は目に前の魔物の群れに突撃する。


◇◇◇◇◇◇◇◇


・side絵里


 唯さんは魔物の群れに突撃してしまった、私は後ろからそれを援護する、炎波や水の槍、風の刃や、雷の矢、様々な魔法を放つ、そのどれも放つたびに使いたい量の10倍の魔力がとられ、その魔力全てが使えるわけじゃなく、取られた魔力の20分の1くらいしか魔法に込められていない、ほとんど霧散して空間に充満しているうえに所有権が離れないから、魔力が思ったように回復しない、


「全部の魔力が使えれば……」


 そんなことをつぶやいて、周りの魔力全てを自由に操れる想像をする、そんな事出来るとは思っていないが、この空間にある全ての私の魔力を使って風の刃で魔物の首を落とす想像をした、もちろんできるなんて思っていなかった、でも、そう考えると同時に、上から風の刃が10匹ほど首を落とした、空間の私の魔力が一気になくなり、急速に回復していく、魔物の数が少なくなったことで、唯さんの動きが良くなり、次々と魔物の数が減っていき、ついに全滅させた。


「先生大丈夫ですか?」


「はい、大丈夫です……」


 そして私達はあと92階層降りるために足を進めるのだった。

絢ちゃんが助けよとしていた時には、本当に死にそうになっていたのです

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