76話・三人で朝食
話しを伸ばしすぎ?
私もそう思う
私は知りたい、本で読み、映像で見るだけでなく、それがどれだけ難しいのか、自分の目で見たらどう思うのか、それが知りたい、それは自分で作った偽物の食欲や睡眠欲より大きく優先される、もう駄目だ、我慢が出来ない、目の前に都合の良い被検体がいるのだ、私は今、この二人を前に好奇心を押さえつけるので精いっぱいなのだが、それよりも前にやるべきことがある。
「魔改造の前に、一度食事をとりましょう」
「食事……ですか?
まさかその中に何か入れていたりは……」
「しませんよ、ただ二人にどういった系統がいいかを聞きたかっただけです、先生は私を何だと思ってるんですか?」
「私の最も長い付き合いの生徒で、実験好きのマッドサイエンティストだと思ってます」
「あながち間違ってはないですね」
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その後シルキーを呼んで遅めの朝食を準備してもらった。
「絢様が美味しそうに食べているのを見ると少し嫉妬します……」
朝食をとっていると、唯が急に不満を言い出した。
「そうですか?
多分今なら唯の料理を『おいしい』と感じることが出来ると思います、また作ってくださいね」
「はい、今すぐにでも!!」
「今日やることはあるから、また今度ね」
唯の機嫌が直ったようでよかった。
「それで、どんなスキル構成がいいです?」
改めて聞くと、唯と先生は悩む、特に唯は考えているということが顔に出ている、暫く待つと唯が先に結論を出す。
「私は絢様の隣で戦いたいです」
唯はそう満面に笑みで答える、すごく心配になる解答だのだが、唯がそれを望むのならいいだろう、それよりも問題なのは絵里先生だ、時間がたつほどに顔が暗くなっていく。
「先生はどうしますか?」
「そう……ですね、生徒を守るために前に出る……なんてのも考えたんですけどね、私は前に出るのは無理です」
「分かりました、では今日中に二人にスキルを付与します、明日の特訓はダンジョン行ってもらいます、一日で100階層攻略してくださいね」
「ダンジョンってどこのですか?」
「書庫にある『神魔対戦』という本を読んだことはありますか?」
「『神魔対戦』ですか?」
「そうです、過去神と魔神が戦ったという神話が書かれた本なのですが、最後の部分は『女神は魔神を封印し、その疲れを癒すため、迷宮に籠った』と書かれているんですよ」
絵里先生は、話から結論を察したようだった。
「明日行ってもらうのは、神が作り出したダンジョン、その100階層からです」
その言葉に、先生は顔を暗くし、泣きそうになっていた。
あと10話以内に王国攻めを初めて次の章へ向かいたい
でもそのためには唯も絵里先生も実力が足りないんだよな~




