49話・新装開店プリンセス商会
クオリティ―向上のために日単位の数を減らします
今日は開店予定日の一日前、従業員の教育も全て終わり、お店も無事建て終わり、商品のストックも十分あり、職員のみんなは今日は休養日としている、明日には帝国中に私の商会が展開するのだが、此処で一つの問題が出てきた、その問題を解決するため、私は急遽私の直属の従者全員を招集した。
「皆さん集まってもらってありがとうございます、今回集まって頂いたのは、重大な問題を解決するためです、皆さんご意見をお願いします」
「意見を、と言われても議題がわからん」
「すみません、少し焦ってしまいました、今、私達の商会には名前がありません、名前がないというのは存在していないのと同じです、なのでどうしても今日中に名前を決めなければなりません、何か意見はありませんか?」
その場の全員が悩む、みんな人の名前ならともかく、物やお店の名前など此処のだれも付けたことはない、全員で話し合いをするのだが、なかなかいい案は出てこない、そうこう話し合いをしているうちに、フェニ、ベフィ、スリーピネスの三人は寝てしまった、この三人が寝るのは、この一ヶ月の間になっていたので、そのまま会議は続いてしまう、しかし、全く案は上がらない、そこから互いに案を上げていき、もはや投げやりとなっていた時、レイエスが妙案を出す。
「ヤミリシア様のもとの名前は、『姫宮』と言いましたよね、そこから取ってはどうですか?」
「『姫宮』からですか……、両方から取ったらおかしくなったり、長くなったりしますし、どちらから取りましょうか……」
レイエスの案を受けどちらを基にしようかと考えていると、レイエスとバルドルフが同時に言う。
「「『姫』からです!!」」
なぜそこまで姫を押すのだろう、私を本当に何かの姫にでもするつもりなのだろうか、その後、悪魔たちからは「いや姫というより……」という意見が出ていた気がするがバルドルフとレイエスがすべて黙らせていた、そして最終的に商会の名前は、「プリンセス」ということになり、商会の名前が決まったことで、お店につける看板や、ポーションなどに張り付けるラベルなどが休日にもかかわらず、職員全員で大量に作成した。
そして、開店日、ホテルや、宿屋はともかく、もともと需要が高くなっていた店のみを出したことにより、道具屋や武器屋、防具屋は大繁盛のようだ、完全に大幅な黒字だ、今のままなら他の国に進出することも可能だろう、そうして絢は王国への復讐の大きなに二歩目を踏み出したのだった。
この大きな一歩が、唯に影響するとはこの時のだれも気付いていないのであった




