22話・孵化
卵の中の感覚ってどんな感じなんでしょうね?
白い膜につつまれて目の前が見えなくなる、とにかく今持っている種族をすべて詰め込んだが、それには理由がある、図書室の資料によると、全ての種族に長所があるらしい、今回主軸にした人間は、極端な大器晩成型、魔力が少ないうちは何もできないが、魔力が増えるとどんどんいろいろなことが出来るようになる、他の種族が出来ることは人間にもまねができるという長所がある、吸血鬼と鳳凰はどちらも体の全てが魔力で構成されているという、魔物と同じような特性があり、魔力が多ければ多いほど、身体能力が高くなる、そして、吸血鬼には不老不死、鳳凰には不老不死が成立するほどのほどの再生能力がある、竜の体の構造は体に魔力を流せば流すほど、肌がより硬くなり、身体能力も上昇する、ブレスが放てるという特性もあるようだが、無理にブレスを放つより、普通に魔法を使ったほうが楽な気がする。
体全体を白い膜が包んで少ししたが、何故か体が温まり、自然と目が閉じてゆく、なんだか体が重い気もするし、おそらくこれが眠気というものなのだろう、初めて感じるものだ……でも、私はこの感覚に体を任せてもいいと思っている、そのまま瞼を閉じると私の意識は暗闇の中に落ちて行った。
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自然と目が覚める、今まで寝ていたとは思えないほど頭が冴えている、その場所も白く明るい、神様の所みたいだ、しかしここからどうやって出ればいいのだろうか、取りあえず手で前を押してみると、思ったより近くで壁のようなものに当たった、そのまま壁を押してみると、押し始めてすぐは背中に水のような抵抗を感じたが、すぐに背中も壁のようなものに当たった、壁は押すとへこみ、もう少し押せば壊れそうで、私は強く押してみる、すると思った通りに簡単に壊れ、私は外に流しだされた。
流しだされて初めて見た光景は、白いベッドだった、少し体を起こして辺りを見回す、窓の外が明るいか暗いかの差はあるが、どうやらあの扉の前で気絶してから初めて起きたベッドのようだ、しかしあの時よりも目線が低い、どうやら見た目の年齢の引き下げは成功したようだ、そして、私の後ろには大きな白い卵と、鳳凰の姿でそれを抱えて眠るフェニの姿があった。
それを確認した私は、そっとベットを降りる、起きてから思ったが、今まで私が着ていた服はぶかぶかになっている、まずやるべきことは新しい服を作る事だろう、まぁ、その辺もあの二人と話し合えばいいか、と思いつつ、私は再びバルドルフとレイエスを探しに行く。
孵化を経て、絢の姿は8歳ほどにまで若返りました。




