232話・世界を超えて
作り始めたのが15日の午後10時、それなりに早くできたな……と……。
明日郵便局に行かないといけないのメンドクサイ。
時間停止や時間遅延は時間逆行や時間加速とは違い常に魔力的に負担がかかる、どれだけ高いダムを立てても放流することなく水をため続ければいつかは溢れてしまう、それと同じで時間を止め続けたり遅延させ続けたりすれば、いつかは本人の魔力量を超えて強制的に解かれてしまう。
「さて、そろそろ行かないと楽しいところが過ぎてしまいそうなんですよね……」
時間停止を解いた後その世界のその外から見た時、まるで今まで流れていなかった時を取り戻そうとするかのようにその流れが速くなる、解いてから世界を渡ったのではとても目的の時間軸には間に合わないような速度で流れていくため、できれば今日中には出発したい。
「決めました、ヤミリシアにはばれない様に行きましょう!!」
本当は一人で行くつもりだったのですが、唯との約束も守れていないですし、最近会うたびに10時間は付きまとわれますし、よけるように歩いてもいつの間にか近くにいますし……
正直に言ってかなり不安があるのですが、それでも一応の頼りにはなりますし唯も私と同じくらいには不慮の事態への対応能力もあります……不慮の事故を起こす能力も高いですが……。
「とは言ったもののどうしましょうか……」
私が空間魔法を使えば、ヤミリシアだけではなくレイエスやバルドルフなどにも気づかれる、先生や正幸君はまあいいとしても、私と直接主従契約をしている子たちや私が鍛えた子たちが全員で止めようとすれば私を止める事も出来るかもしれない……が、それはいつでも見れるものだ今ではない。
そんなことを考えていると、通路を歩いている分体が唯と出くわした。
「絢様!!
見つけまし……ァ……ぉ……」
私は大きな声を出す唯の口を人差し指で止める。
「静かに……今日行きますよ」
そういうと、唯は一度こくりと頷き目に見えて楽しそうな顔をした。
この一年、他の子たちに技術も上がっているのと同じく、私の技術も大きく上がっている、0.01秒にすら満たない時間で、城からできるだけ離れた場所に転移する。
「どこに行くんですか?」
「異世界です……バルドルフ達が止めに来ると思いますので、唯はそれを食い止めてください」
唯の呑み込みは異常に速い、私がそう言う前に唯は黒色の鉄板を抜いていた。
唯の守りを当てにして世界を渡る魔法を構築していく。
「絢様……どこに行くつもりですか?」
一番最初に止めに来たのはレイエスとヤミリシアだった、この二人は転移魔法のレベルが私と同じレベルで極めている、短距離の転移なら何か問題が起きれば直ぐに飛んでくる。
……だが、今回二人に害意や敵意は存在しない。
「貴女達を止められないのはわかっています、早く帰ってきてくださいね」
唯もその言葉で剣を下ろす。
「はい早く帰ってきますよ」
「お気を付けて」
「はい」
そして私たちは世界を超えて転移をする、面倒な約束をしてしまった、まあ守れない約束はしていない。
はい、そうです、読者の皆さんご察しのとおり最終回です、続編あります、その前にReの方を作ります、ちなみに私の小説の名前や地理や歴史以外の設定は全くと言っていいほど変わらないので、この後の作品は全て続編かリメイクです。




