227話・デート?
「デート?」ってサブタイトルに「?」がついてる時点でデートじゃないよね。
今私には唯がべったりとくっつき歩きにくい、……と言うのも、唯が3分に一回「どこかに一緒に行きましょう!!」や「何か一緒にしましょう!!」と言われ最終的には「デートをしましょう!!」と言いだしその場にいたお父様とヤミリシアはその行動を止めて固め、お兄様は激しい視線で唯を睨んでいた……、永遠に無視していてもよかったのだが、さすがにこれを永遠に言われるのは面倒が過ぎるためしぶしぶ了承した……。
「で……どこに行きたいですか?」
「幻想的なところがいいです!!」
「そもそもここ自体が幻想的だと思うのですが……」
今私達がいるのは神界である、普通の人間が神界で生きられない理由は大きく二つ、一つ目は魔力による圧力、深海と同等……もしかすると太陽の重力の中心にいるのと同等の圧力を受ければ一瞬すら持たずに押しつぶされるだろうが、それなりに魔力で肉体強化をするか魔力障壁を使えれば耐えることができる。
問題なのはもう一つその魔力濃度による魔力中毒である、圧力だけならばそれなりの魔力量で大丈夫だが一息で大量の魔力を吸収させられるこの空間では膨大な量の魔力の器が必要である。
「どこかいい場所はないですか?」
「そもそも私の行動範囲はそれほど広くはないので……」
私の行動範囲はそれほど広くない、文字通り目的地へ最短ルートで進み何度進もうとも同じ道、同じ歩数、同じ時間で到着する、あまり寄り道をしようと言う思考がないためそれ以外の道を通ることもない。
「絢様は何でもかんでも『知りたい!!』って言ってするのに、こういうことはかたくなにしないんですよね~、なんでですか?」
「何故、……と問われても、まあ、興味がわかないからですね、ありそうなこと、予想できることは全くと言っていいほど興味がわかないんですよ」
「じゃあ私には興味を持ってくれてるんですね!!」
「どういうことですか?」
「だって、私の言うことは聞いてくれるじゃないですか!!」
唯がまさに自信満々と言う風にそう言うが、事実一理あるのかもしれない、私が本気で興味が無ければ何もしない、「そこに何かあるかもしれない」程度には意識するがそれ以上は何も考えていない、それでも私のものを傷つけられそうなときにはやり返すが本当にそれ以上は考えない。
「そうですね、そうかもしれないですね……」
正直言おう、これが私の人生で初めて「驚く」と言う感情が生まれた日だろう。
その時、地上でローラの特訓をしていたのは絢の分体ではなく、ヤミリシアなのであった……




