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チートでもいいでしょう?  作者: ヤーチャン
2章・宵闇のダンジョン
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15話・扉の先は

睡眠って大事だよね。

 絢が扉に手をかけると同時に、今までと同じように扉が開く、ただ今までとは異なる点が一つ、扉に手をかけた絢は違和感を感じた、体中に鉛でも付けたかのように重く、全身の力が抜け、体が前に倒れる。


 人間が不眠状態でどれだけいられるかという実験があるが、その時の記録は264時間12分つまり11日と12分である。

 それに対し、絢がこのダンジョンに入ってから起き続けた時間は2週間以上、既に体の限界を超えている、今までにも精神の崩壊や性格の激変といった形で体が警告を出していたが、その変化があまりにも少なかったこと、絢も欲や身体的な機能の限界を感じるということもなく、体の限界というのを忘れていた。

 問題がわかっていない人間が、問題の対策をするわけもなく、限界を超えた身体がついに音を上げ、扉が半分も開ききらないうちに地面に顔をつけ、そして眠りについてしまうのだった。


◆◇◆◇△▼△▼


 絢は見知らぬベットの上で目を覚ます、隣ではフェニが寝ているが、バルドルフの姿は見当たらない。


「取り合えず、バルドルフを探しましょうか」


 そう小さくつぶやき、フェニを起こさないように静かにベットを出て、辺りを見回す。

 ダンジョンのどこかを改造したものなのかと思ったがどうやら違うようだ。

 絢が眠っていたベットは、温かな木造の部屋の中にあり、窓からは日差しが差している、そのまま部屋を出ると、長い廊下が続いている、此処はどこかの屋敷のようにも思える。

 取りあえず、此処の探索と安全の確保が優先だ。

 この屋敷の探索とバルドルフの捜索という目標を立て、探索を開始する、暫く歩いていると、何かの音が聞こえてくる、音が聞こえてくる部屋を見ると調理場のようで、バルドルフともう一人、見知らぬ銀髪の女性が調理をしていた、調理も終盤のようで、とてもいい香りが漂っている、絢は声をかけるか迷った末、その部屋にあった椅子に座って待つことにした、料理が終わり、バルドルフが後ろを見ると、人形のように一切動かず見つめ続ける絢がいた。


「……絢様、起きたのでしたらお声がけください。」


「すいません、調理に集中していたようでしたので……、ところでそこの女性は?」


「彼女は……」


「お初にお目にかかります、吸血鬼の始祖種であり、此処の管理を任されております、レイエスと申します」


「姫宮 絢ですよろしくお願いします、ところで、バルドルフとはどういう関係で……」


「バルドルフ……もしかしてこの方の事ですか?」


「そうですが、何かおかしなところがありましたか?」


「黒竜様に名づけを……まさか鳳凰様にもですか」


「そうですね……鳳凰の方にはフェニと付けましたが……」


「失礼ですが、現在の魔素量はどのくらいでしょうか……」


「1800億を超えたくらいでしょうか」


 その話を聞いたレイエスはしばらく思案した後こちらを向いて重々しく言う。


「蔵書室へついてきてください」


 そんな話をしていると、フェニが目をこすりながら調理場に歩いてきた。

最近この小説の題名がなんか違う感じがする。

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