184話・神兼魔王VS魔王兼神ー1
神であり魔王(魔力の王)である絢と、魔王(魔の王)であり神様である魔神の戦い。
やっぱり戦闘シーンは難しいよ……
開始の直後、私達は0.01秒にも満たないような時間の中、互いの距離を詰め、互いに身体強化を施した打撃の一撃を放つ。
私は掌で……
魔神は拳で……
その二つの打撃はその開始点の中間でぶつかり合い、その衝撃を発生させる。
二つの打撃によって発生した衝撃は、城中を揺らし、その時すでに寝ていた子達も目を覚まし、レイエスやバルドルフは商会の子達の避難を開始していたが、私達はそれを知りながらもやめることなく、さらに次の打撃を放つ。
次の打撃の直撃のあと、武術での勝敗が決する。
私と魔神の打撃が衝突した直後に私の掌が魔神の拳を押し込み、それによって魔神は訓練場へと叩きつけられる。
「こんなに狭いところではやってられないでしょう、外に行きましょう」
私はそう言いながら魔神の懐に潜り込み、その場所で軽く指を鳴らし、私と魔神に強制的に転移を発動させる……
転移先は城の外、城で戦っていては狭い上、すぐに壊してしまいかねない、そうなった場合は少し面倒くさいことになってしまうため、出来るだけ自重したい。
「『外に行こう』で連れ出されたのは久方ぶりだぞ」
目を閉じてやれやれと言った雰囲気を醸し出している魔神に向けて魔力の塊を放つ。
「おしゃべりをしている暇なんてあるんですか?」
魔力の塊は魔神に直撃し、魔神を包むようにして煙が発生する……
「ああ、確かにそんな暇は無い様だ……」
そう言いながら魔神が煙を薙ぎ、そこには魔力で構成された槍が文字通り無数に浮かんでいた、その数はそこで終わりではなく、今もまだ増え続けている。
魔神は右手を振り、その動きに呼応するように、空中に浮いている槍が、私に向かって高速で飛来する。
魔法は想像力次第で、いくらでも威力を上げることが出来る、ただし、ある程度の魔力量からは、人間の……生物の想像力の限界が現れる、魔力を魔法に変換するよりも、魔力を直接使用した方が取り回しが良くなる地点が現れる、正に今の私達がその地点だ、魔神は貫通力を重視した槍の形状をした魔力を、私は不可視の爆発性の魔力の波動を放つ。
魔神が魔力の槍を投げ、私がそれを魔力によって迎撃、決闘ではなく戦争にも近いその戦いは、互いに決定打がないまま時間だけが進んでいく……。
ただ、始まりはこれから、まだまだやりたいことは沢山あるのだ、魔神には頑張ってもらわないと……
絢ちゃんと魔神ちゃんが女の子だったことを忘れてた子は正直に手を上げなさい!!




