178話・簡単ですよね?
ネタ切れ?
違います、ネタ切れです。
「代わってくれないか?」
今私がいるのは神界、神王様への魔力操作の授業の真っ最中、神王様がそんなことをつぶやいた。
「急に何ですか?
『神王の座を代われ』という事なら無理ですよ、やりませんから」
「何故そんなことを言う!!
一週間で良いんだ、代わってくれ!!」
「そう言って変わったら、最終的に今の状況が気に入ったなどと言ってそのまま永遠に元に戻らないつもりでしょう」
「そんなことを言っても、神王とてやめたくなる日が来る、いつの日かは誰かと後退せねばならん日が来るのだ!!」
「そうですか……、でしたら私が死ぬまでこのままでいてください」
「そんなこと言わないでください!!」
神王様は半分泣きそうになっているが、今は授業の時間だ、当然一つ課題が終われば次の課題がある。
「『そんな事』はどうでもいいので次の事をしましょう、これを作ってください」
そう言って私が作り出したのは、白くも、黒くも見える、私の身長と同じくらいの大きさがある実態を持つほどに圧縮した魔力の球体。
「さあ、これを作り出してください、コツとしては、これ以上圧縮してしまうと魔石に変化してしまうので、その境目をうまく見つける事ですね」
「何のアドバイスにもなってないぞ!!
むしろ難易度が上がることを告げられた気がしたのだが!!」
「大丈夫です、適切な魔力量で、適切な量を調整すれば、魔石化する密度よりも、魔素一個分密度を少なくすればいいんです」
「だから何故難しくする!!」
「……簡単ですよ?」
「どこがだ!!」
神王様は一体何をこんなに騒いでいるのか……、これ以上ない程簡単な事を言っているというのに、ただ魔石化の魔力量を一度把握して、そこから魔素一個分の魔力を抜いたものを作り出せばいいのだ、難しいことは何もない、1から100までの数字を書いていく中でどこか一つだけ数字を飛ばして書くのと同じことだ、これはまだまだ基本の事だというのに……。
「こんな物出来るか~!!」
そんなことを言いながら神王様が魔石の山を作り上げていく。
「早くしてくださいね~」
「出来るか~!!」
「流石に……、これは無理だよ」
そこに現れたのは、私の生みの親でもあるキリィーだった。
最初と最後の構想だけ作って始めたこの小説、いつ終わるんだ……。




