175話・自動作成
最近左胸からお腹までが痛い、なんでだろ……
ニーナについて行ってたどり着いたのは、先ほど、私がニーナたちと一緒に設計図を作り出した部屋……だと思ったのだが、先ほど来た時よりも部屋が広い……いや、よく考えると隣の部屋の扉とこの部屋の大きさが合わない、恐らくドミナンスが空間拡張をしているのだろう。
「やっと連れてきてくれたの?」
ドミナンスは、部屋に入ってすぐ目に付く、巨大な機械の上に上り、上の方にあるナットを閉めながらニーナに声をかける。
「これが完成品です!!」
ドミナンスの言った事は無視して私達に完成品を見せる、ニーナは言動や外見から未だに元気なことが見られるが、ドミナンスや一緒に作業をしていただろう子達はたった半日とちょっとで明らかにやつれ、ドミナンスはそんな状態でも働いていたが、他の子達は既に深い眠りについている……誰も起こさなかったら今日の夕食は逃すだろう。
「あれから一体どうなったんですか?」
その質問の直後勢いよくニーナが答えようとしていたが、機械の上から降りてきたドミナンスが直ぐにその口を塞ぎ、代わりにドミナンスが説明を始めた。
「すみません、この子に説明させると10回に1回は機械を破壊しますので、それでは簡単に、一度動作を見てください」
そう言ってドミナンスは設計図の上にあったボタンだけがつけられた黒い箱を手元に取り寄せ、ボタンを押す。
改めて機械を見ると、地球にある3Dプリンターとは比べ物にならないほど大きく、正面にはガラス張りの空間があり、恐らくそこに生成されるのだろう。
ドミナンスがボタンを押すと目の前にある機械は「ガタン!!」と言う大きな音を立ながら大きく揺れ、その後に、ガラス張りにされた空間の中で雷のような放電が起きて、思わず目をつぶってしまうほどの光が発される。
数秒後、その中に金属製の小型ナイフが生成されていた。
「コレ金属でできてますね……」
「色々と改良に改良を加えまして、これに素材を投入すれば、その素材が尽きない限り物質を精製できるようにしました」
「すごいですね……その結果があの放電ですか?」
「そうですね、魔力で無理やり形を作成する以上、空気中の抵抗が大きく、静電気などで放電が発生します」
ドミナンスはそう言っていたが、実際見てみるとかなりその精度は良い。
「無理やりではありますが、かなりいい物ですね、コレ」
「はい、精度だけは高くするように設計しましたので……」
「頑張りましたね、自作も期待していますよ」
その言葉を聞いて、緊張の糸が途切れたのか、一番元気そうに見えたニーナが倒れ、それを見たエレナが直ぐに駆け寄る。
「ちょっとニーナ!!
っッッ、寝てる……」
「夕食までもう少し寝かせてあげましょうか」
「そうですね……」
そうして私達は夕食の時間まで色々と語り合った、一つだけ不服なのは、彼女たちが私が普通の女の子のように話すことに驚いていたことだろうか。
他の作者さんならここで高評価をお願いしたりするんだろうけど、そんな物を書くよりもちょっとしたことを書く方が楽しい。




