161話・神王様
今回は会話の方が多めです、ナレーション(絢の心の中)も多くて一行です、面白くないかもしれないと思う方もいらっしゃるかもしれません。
扉を開けたその先には、赤いカーペットが敷かれた真っ白な回廊があり、更にその奥には、更に真っ白な椅子に座った今の私ほどの少女がいた。
「あの人が、神様たちの王様ですか?」
「そうだね、あれが僕たちの王様……女王様かな?」
私がキリィーに彼女のことについて質問すると、簡単にその答えを返してくれた、ただ、他の人はかなり緊張している、何故かキリィー以外は何かに怯えているように小刻みに震えていた。
「キリィー、それが君の娘かい?」
「そうだよ」
「いえ、違います、キリィーも肯定しないでください」
彼は本当に何を言っているんだろうか、意味が分からない。
「じゃあ貴様は?」
「私はこの人が作った世界で生まれただけのただの少女です」
「ただの少女がここに来れるか?
それの娘と言われた方がよっぽど納得がいく」
「『それ』なんてひどいな~」
「上を敬わん者など『それ』で十分だ……まあいい、貴様は、創造神候補として、試験をクリアしたのだろう。
貴様の、名は?」
「姫宮 絢です」
「姫宮 絢……か、では絢よ、貴様を創造神の席に座ることを命じる」
「許可ではなくて、命令なんですね」
「空席は可能な限り埋めねばならんからな、貴様が座れるのなら座らせる……ただそれだけだ」
そろそろ面倒になってきた、この話、続けたとしても何もなさそうだし、早く終わらせてしまいたい。
「何か特典とかありますか?」
「貴様、この話がめんどくさくなって早めに終わらそうとしてないか?」
「そんなことないですよ……」
「これは……」
私の気持ちを確認したいのか、彼女は、キリィーの方を見る。
「これは……そんなことがあるときの顔だね」
私の顔を確認したキリィーの言葉を聞いた彼女は、ニイっと口角を上げた。
「ならそれでいい、私も何度も同じような話をするのは飽きてきていたところだ……特典はある」
「どんなものですか?」
「簡単に言うと、自分の物に対して自由になる」
「自分の物とは?」
「貴様だったら創造、そこの奴なら時空、神として自身が持っているものに対して自由になる」
一番理解に苦しむ答えだが、まあ、分からなくはない。
「それ自由神とか凄そうですね」
「自由神……そう言えば居ないな、貴様がなるか?」
「神様って掛け持ちできるんですか?」
「まあ……出来ないことは無い、とだけ言っておこう……、考えておいてくれ今日は解散だ」
そう言われ、私達が帰ろうと歩を進めると。
「ああ、すまない、キリィーと絢、君たち二人は残ってくれ」
そんなことを言われ、私とキリィーの二人は更に時間を喰うことになった。
眠たいし、頭痛い、ついでに目と手と足と肩と膝が痛い、全身重い、ちょっとやばい……かも。




