154話・自主訓練
もう一つ二つ筆休めをしたかったけど、ネタがない……
私が訓練場に行くと、そこにいたのは私が勧誘してきた魔神だった、彼女の名前なんでしたっけ……、私が暫くその光景を眺めていると、彼女は何を感じ取ったのか、私の方を見た。
「なんだ、貴様か……」
「何をしているんですか?」
「なんだ、使用制限でもあるのか?」
「別にないですよ、ただ単に何をしているのかが気になっただけです」
「貴様を超えるためだ、我は負けず嫌いでな、負けたままと言うのが気に入らんのだ」
「そうですか……、お隣失礼しますね」
「好きにせい……」
私達は訓練場で魔力の訓練をする、魔神である彼女は、巨大な魔力の球を出現させ、体内の魔力が少しでも回復すればそこに詰め込んでいた、私は体から流れる魔力を完全に遮断し、空間に満ちている魔力に自分の魔力を合わせ、ついでに極小にまで圧縮した魔力球を自分の周りに数十個浮かべる。
「……あなたの名前なんでしたっけ?」
「こんな時になんだ、我の名前か?」
「はい、そうです」
「これが終わってからでいいか?」
「ダメ、今言いなさい」
「な!?なぜ今そんなことを!?」
「訓練の一環よ、こんなこともできないのなら私を超えるなんて夢のまた夢よ」
「ぐッッ……、はあ、我に名前はない」
「もしかして名前がないから言いたくなかったんですか?」
「……悪いか?」
「別に何も……、名前差し上げましょうか?」
「要らん!」
「本当に要りません?」
「要らん」
私達は、その後は何も話さずに黙々とそれぞれが訓練を続けた、彼女は自分の魔力の塊を少しずつ圧縮しはじめ、私は空中に浮かべた球体の圧縮率をいじってみたり、分体に魔力をためるスキルを作ってみたり、球体それぞれの圧縮率を変えながら高速で回転させてみたり、いろいろと試してみる、魔力の塊を回転させるのはもう少し練習すれば新しい技になりそうだ。
「一緒に魔物を倒しませんか?」
「急にどうした?」
「それで最大ならかなり少ないですよ」
「有難迷惑じゃわ、魔力も寄越さんでいいから早くその手を引っ込めろ、貴様の魔力など入れたら破裂するわ」
彼女は私の手を振り払い、そのまま自分の訓練に意識を戻した。
「我らは魔物を倒してもそこまで力は増えん、我らは生きた時間によってその力を増す、貴様らにはわからんだろうがな……」
「……そうですか」
そのまま、私達は日が登るまで自主訓練を続けた。
学校再開まであと何日だっけ?
まあいいや次は神界の学校に戻ります。




