146話・想定外
絢ちゃんに想定外なんて存在あるんですか?
ありますよ、しかもかなりたくさん。
バルドルフの配置換えが終わるまで怒られ続け、バルドルフの終了の報告でようやく解放された。
「絢さん、早く終わらせてきてくださいね」
今夜に持ち越されることが確定した……。
ホログラムで敵の動きを確認すると、少し混乱していたようだが、最終的には、進軍を続けることに決めたようで、少しずつこちらに向かって行軍している。
それに合わせて、私達も相手の拠点を攻める、人が残っているところだけ人数を増やし、私を含め4人で攻め、それ以外は一人づつ派遣する、ちなみに居残りの一人はバルドルフ、バルドルフには派遣した子達の指揮を執ってもらわないといけないので仕方ない、ヤミリシアは今も政務で忙しいので一連の出来事は伝えていない。
「では、行きましょう」
そう言い、私は全員を転移させる、私と一緒に人が残っている拠点を攻めるのは、フェニとスリーピネス、レイエスの三人、私達は転移が終わるのと同時に拠点の中に突入、中に於いてある書類や結晶は後回しで、その奥にいる人間の捕縛を優先、一気に最奥の部屋にまで進む、扉を開ける前から中の声が聞こえる。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「なんだあの兵器は、あんなもの情報になかったぞ!!」
「今上空を探知しても何もない、問題はあれらが連射できるのかどうかだろう」
「それよりも、今末端の施設と連絡が取れないことを話し合うべきではないのか?」
◆◇◆◇◆◇◆◇
そんな会話が聞こえてくる、恐らく中にいるのは10人程、私達は扉を勢いよく開け、全員を拘束する。
「お前たちは何者だ!!」
「貴方達が攻めている商会の商会長ですよ、あと、魔王でもありますね」
それ以降は彼らを無視して、この施設を探索してもらい、他の施設よりも大量の書類と結晶をこの部屋に集める……、すると急に、私につかまっていた彼らが笑い出す。
「何を笑っているんですか?」
「いや、こうもうまくいくとはな……」
その言葉を言うと同時に、彼ら全員が口や目、鼻や耳など身体中の穴から血が噴き出す、なぜか自然と視線が結晶の方へ行く、結晶は薄く紫色に光り何か煙を出している、もう少し意識を向けると、かなり薄くではあるが彼らと魔力がつながっている、私は魔力の繋がりを切断し、結晶を吸収、私以外の全員を城に転移、私は、結晶から出た煙と相対する。
「早く形を成したらどうですか?」
私がその煙にそう問いかけると、切りから声が響く、少しうるさい。
「貴様があやつらとのつながりを断ったせいで力が足らんのだよ」
「なら、さっきから私に向かって魔力を放ってくるのやめませんか?」
私がそう言うとその煙は何かの魔法を発動させながら一気に私の方に近づく、私はそれを退けるために障壁を張ったが、その障壁をすり抜けた、恐らくだが、あの煙は魔素の塊、魔力で作った壁ではその間をすり抜けることが出来るのだろう、避けることも考えたが、それよりも受けてみた方が楽しそうなので、その魔法を受けてみる。
魔法を受けると何故か視界が白く光り、私は森の中にいた……。
どんな魔法だと思います?
どうせ次の回でわかるって?
それが明日出るかどうかは分かりませんよ……この作者は超不定期投稿ですから。




