131話・ヤミリシア
これで一人が二つの名前を持っているなんて言うめんどくさいことから抜け出せる……
今、私姫宮 絢は、ヤミリシアと戦っている……どういうことかと言うと、三日前、私の【創造】が進化した【創造神威】その化身の彼女の体をこの世界に創り出して、そのことについて絵里先生に一晩中怒られた後、私は彼女に私の真名の片割れである、「ヤミリシア」を彼女に分けた、それによって、私達の間に強固なつながりが出来たからか、私とヤミリシアは、体の所有権や思考は共有していないが、スキルや魔力などは色々と共有している状態になっている。
ヤミリシアの姿を、昔の私の姿にしたことで、唯のヘイトをヤミリシアにも向けるために、あの姿にしたのだが、そのことについてヤミリシアからはかなり文句を言われている……そして今は、その不満が爆発したのか、私は障壁と結界だけと言う縛りを着けてヤミリシアと戦っている。
「よくも私にあの子を押し付けましたね……」
「あの……あまり広範囲の攻撃は使用しないでください、障壁が足りないじゃないですか」
「話を聞きなさい!!」
私は全力で強固な障壁で自分を守り、周りへの被害を出来るだけ少なくするように、結界と障壁を張る、それに対し、ヤミリシアは、単発高火力の魔法や、高連射高火力の魔法を次々に使用し、私は一切攻撃していないが、反射やすり抜けなどの効果を付与したせいか、私の周り以外もクレーターのようなものがいくつもできている。
この三日でわかったことがある、ヤミリシアは私よりも、しっかりと感情があり、私と違い色々な事への欲がある、つまりストレスがある……こうなるのなら私は欲なんていらないと思う。
そのまま、私をサンドバックにして1時間ほど暴れ、少し落ち着いたのか、ヤミリシアは止まった、もう終わったのかと思い、障壁や結界を解くと、身体強化や気術を使用した全力の一撃で顔を殴られた、その衝撃で私の体は1㎞程吹き飛ぶ。
「受け身を取れてなかったら死んでましたよ、急に何なんですか?」
「死んでないのだからいいでしょう、それに、死んだとしても後で生き返らせてあげますよ」
「そういう問題でもないでしょう……まあいいです、今日の仕事は何が残っていたでしょうか……」
「唯さんと、絵里さん、後は商会の魔法系の子達に、色々な魔法の使い方を教えるんでしょ」
「そうでした……ありがとうございます、ヤミリシアも補助お願いしますね」
「分かってるわ、早くいくわよ」
ヤミリシアは、欲あり絢ちゃん、商会内の人気は結構高い。




