125話・絢の強さの理由
絢ちゃんが強い理由はちゃんとあるんですよ。
翌日、私はクラスメイト達と草原に呼び出し、どう班を作らせるか悩む、クラスメイト達は私と唯、正義君を抜いて24人、つまり4人班を6つ作る、6つである理由は、単純に私が持っているダンジョンが6つしかないからだ、まあ、死ぬほどの怪我をしても私が後で治すから問題はない、死んでも……まあ大丈夫だ、何とかする。
そのまま少し考え、最終的にくじで決めることになった、次からは自分で決めてもらおう……今日のは全員にそれぞれのダンジョンで100階層から110階層まで潜ってもらう、ボスは次だ、さあ、私をバカにしていた彼らは何日かかるのか……私は彼らの攻略を見ながらもう一つ、唯たち5人も鍛える。
適当に作った空気中の魔素を吸い取って魔物を生成する道具から出てくる魔物を交代で倒し続けるという物だが、存外これがいい訓練になる、出てくるモンスターは完全にランダムで、魔法を使うたびに出てくる魔物が強くなる、そろそろキメラのような、複数の魔物の特徴を持った物が出てき始めた、今はマットさんと正幸君が戦っていて、他の3人は休憩中だ、そんな中、唯が私に質問をしてきた。
「絢様は今も魔力が増え続けてますよね、どうしてですか?」
「……どうしてって言われても……」
「どこかで魔物を狩り続けてるとかですか!!」
何を考えているのか、唯のテンションが高い……そう言えば、昔も私が正義の味方だと信じていた時代が唯にはあった、あの時はどうやってその誤解を解いたのだったか……
「別に違いますよ、しいて言うなら、ダンジョンと商会の収集班のみんなのおかげです」
「どういうことですか?」
「その話は儂も聞きたいのぉ」
ジムラドさんがこの話に乗ってきた、そこまで詳しく説明する気はなかったが仕方ない。
「元々、このダンジョンは神の持ち物だった、という事を話したことは憶えていますか?」
「「……」」
「覚えてなさそうですね」
「いや、覚えてはいたのだが、あれは真実だったのか?」
「嘘を言う理由の無い物に嘘は言いません、すべて真実ですよ」
「つまり、あの神に会ったという話も真実なのかのぉ」
「ええ、本当ですよ……話が進まないので、その話はあとにしてください……それで、神は昔に魔神との戦いで失った力を、人間に魔物を討伐してもらう事で、本来私達に入る魔力の半分を吸収し、自分の力を高めようとしました、まあ誰も見つけることが出来なかったので、そんなことはできませんでしたが……」
それ程難しいことは言っていないはずだが、唯はよくわかっていない様で、。
「唯さんここまでの話、理解してますか?」
その様子を見た絵里先生が、かみ砕いて何度か説明していた、それでやっとわかったようなので私は続きを話す。
「……で、あの王国で、私が転移させられたのが、たまたまこのダンジョンの101階層で、私がこのダンジョンを攻略したので、このダンジョンの機能そのまま私に譲渡されました、それが計6つ、その全てで、モンスターやダンジョンに自生する素材の収集をします、その過程で倒したモンスターの魔力の半分が私に集まっています……つまり、此処から行ける6つのダンジョンで誰かがモンスターを倒すたびに、私が強くなります」
唯はその話の内容が全く分かっていないみたいだが、絵里先生とジムラドさんは私の話を聞いて、なぜか青い顔をしていた。
後に理由を聞くと、あのまま敵対していたらどうなっていたことか……と言っていたそうな……




