122話・絢の見た目
前回、前々回と、最初期にバルドルフがやっていた、「魔力の光でつながりを作る→名前を付ける」という名づけ順番にの矛盾が起きていたように感じる方(作者も含め)がいるかもしれませんが、あれは名づけではなく、「こんなのでいい?」と言った感じの確認です。
以上、要らない捕捉でした。
「ダメですか……?」
今まで散々ダメだと言われてきたので、少し弱気だ、力づくで仲間にした方が良かっただろうか……そんなことを考えていると、麒麟から一つ質問される。
「旧友共は気付いておらぬようだが、そなたは神の使いか?」
「多分違うと思いますよ、『神に作られた』と言う意味ならその通りみたいですが……」
「『みたい』……とはどういうことだ?」
「私自身にそういう自覚がないんですよ、少し普通ではありませんが、人間の親から生まれて人間に育てられました、今になって「神に作られた特別なんです」って言われたって、どうでも良くありませんか?」
「……そなた、その年齢にしては達観しているのだな」
「……17にもなればこんな考えをする人間はよくいるでしょう、特にこの世界では」
「貴様17なのか!?」
「そうですよ……私の事何歳だと思っていたんですか?」
「齢5、6あたりだと思っていたが……」
「この体は8歳の時を模して作りだしたものなのですが……」
やっぱり、この体戻した方がいいでしょうか、しかし……もうこの体に慣れすぎて、元の体に戻したときにまた慣れなおさないといけないのはめんどくさいですね……やらなくていいならやりたくないですし、また日うようになったら慣れましょう。
「まあ良い……神に作られた者よ、おぬしの願い受け入れよう」
麒麟がそう言うと、私と麒麟が光でつながり、視界が一気に白くなる、視界が元に戻った時には、目の前には、胸元まで垂れる長いひげを携えた、老人がいた、いつの間にか服を着ているところを見ると、元から何か着ていたのだろう、一見するとどこかの仙人の様だ。
さて……名前はどうしましょうか、そう言えば広東語で麒麟はケイロンと言ったはずだ、このままつけてもいいが、それはそれで、何かダメな気がする、この考えが私の名づけ下手の理由なのはわかっているが、ダメな気がする。
「ケインはどうですか?」
「何のことだ?」
「貴方の名前です」
「ふむ……比較的良い名だろう、受け取ろう、これより己はケインと名乗ろう」
その言葉を聞き、私は城に転移する、その後バルドルフにバープ達を紹介すると4人は無事受け入れられた……その代わり、私は、先生、バルドルフ、レイエスの3人から怒られた、前の時よりも長かった気がする。
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沢山怒られた後、私は絵里先生に手を引かれ、今は絵里先生の部屋にいる。
「私に何か聞きたいことでもあるのですか?」
中々喋らないので、私はそう話を切り出すと、絵里先生はとても真剣なまなざしで私を見る。
「絢さん……」
「……何ですか?」
「絢さんが、クラスメイトを嫌っているのは分かっています、ですが、私や唯さんのように、あの子達を鍛えてあげることはできませんか?」
その先生の言葉に、私はいたって冷静に返答する。
「無理です。」
「私が教えたんだから出来ない訳ない」とまで豪語していた絢ちゃんが、何故無理と言い切るのか……




