121話・麒麟は何処に?
この作者、伏線なんて全く無いようで適当にその辺にそれっぽいのを書いたやつが、後で急に伏線扱いになったりする作者です、つまり話の展開なんて全く考えておりません。
私達は中央の大陸に戻り、麒麟を探す、しかし全く見つからない、少なくとも地上にはいない、バープ達に聞いてもあまり心当たりがないらしい、まあ、地上に居なかったら、地下か……まあ、上空か……私は上空に向けて魔力をソナーのように使うと……
「……当たりですね」
上空……通常、雲が発生するよりもさらに上に、かなり大きく固い雲がある、私達三人に魔法をかけ、浮遊させる。
「今から行きますよ」
「「……は?」」
前回は出せなかった飛行の全速力、何か後ろで聞こえた気がするが気のせいだ、初速で戦闘機並みの速度を出した私達は、さらに加速しながら約80キロほど上空に存在するその場所まで約3秒で到達した。
「着きましたね……皆さんどうしたんですか」
後ろを見るとなぜか青い顔で息が上がっている三人の姿があった。
「ああ、貴様はこの程度では危機とすら思っていないのだな」
「……危機なのですか?」
「今回は貴様が傘のようなものを作っていたおかげでどうにもならなかったが、あれが無ければ普通は死んでいるぞ……」
「そうですかね……一応安全のためにつけましたが、私は途中からつけてませんでしたよ」
「「……」」
何故だろう……今度はみんな黙ってしまった。
「……まあいいです、麒麟を探しましょう」
別に私は話をそらしたわけではない、ただ単純に見つからないのだ、此処は魔力が濃く私の魔力で探す技術はあまりうまくいかない、その上あまりにも広い、もしかしたら大陸一つを覆っていそうだ、そんな中で麒麟を探さないといけないので、それなりにしんどい、なので高速で飛び回りたいのだが……。
「本気で飛んでいいですか?」
「「ダメだ」」
と言われるので仕方ない、薄い魔力はダメだが、もっと濃く広げれば使えないことは無い、ただ、多すぎると、魔物が出来たりダンジョンが出来たりするので、少し調整が難しい、少しずつ魔力を増やしているが、もうすでに端の方の操作が不安定だ、不安定な理由は私のイメージ力が足りないせいだが、流石に一朝一夕で増やせるような力じゃない、どうするか……その後すぐに解決策を思いつき、成功するかは賭けだが、その解決策をすぐに実行する。
「おい!?貴様、大丈夫なのか!?」
ビープが、隣で心配の声を上げているが、それもそのはず、私の目からはそれなりの量の血が流れている、私がとった解決策は簡単で、イメージが足りないなら、何かで補完すればいい、それに使ったのは魔方陣、書き込んだのは眼球だ、正直視力を失うか、最悪成功せずに眼球を失うか、どちらかだと思っていたが、無事視力は保ったまま成功した、まあ、目に魔力を集めすぎたことで、少し出血してしまい視界が真っ赤だが、これはすぐに治せる。
「大丈夫です、少し集中するので静かにしてください」
魔力が広がる速度は加速し、他の神獣を同じような気配を見つける……しかし、玄武や青龍と比べ、大きさは随分と小さい。
「見つけました、行きましょうか」
そう言って私は指を鳴らし、麒麟の場所に転移を発動する……転移後、目の前にいたのは、鹿の体に、狼の頭、その頭に生える角という、よく話に聞くような麒麟がそこにいた。
「先ほどから幾度も感じる力、そなたの力か?」
「はい、そうですね」
「そなたをここへ導いたのぞみは何だ?」
私はその問いに「貴方をください」と、笑顔で答えるのだった。
フェニ(朱雀)リェク(玄武)ウド(青龍)は巨大な体を持っていますがバープ(白虎)・麒麟は普通の大きさです。




