115話・決勝ー後編
絢ちゃんがこの機体に積んだ隠し機能が見れるのはまだまだ先のお話なんです。
私とアイシャの二つの機体は空中で激突する、その速度は地上での速度より数倍速い、衝突と同時に、自身の防御と相手への攻撃を行う、それに追加して、アイシャには私の魔方陣からの無数の光線が襲う、黒い竜と、白い戦姫が6色の光線が飛び交う空間の中を舞う。
私とアイシャで違うのは攻撃の威力と手数、後は防御の硬さ、手数と防御力は私の方が上だが、一撃当たりの威力は少しだけ向こうの方が上だ、もし少し攻撃を受けたら少しの間は装甲がへこむかもしれない、まあ、へこむだけですぐに元に戻るが……、ただこのままでは決着をつける事が難しい……となれば、私の威力を上げればいい、機体全体に魔力を纏わせ、身体強化と同じような効果を発揮させる、それと同時に、幾つかの本に記述があった人口気術を起動させる、目見見えるほどの魔力を機体が纏うと、アイシャも期待に魔力をまとわせる、流石に経験の差か、私よりも魔力量が多い、それでも私が負けることはあり得ない。
身体強化や気術は、使用する魔力に圧倒的な差がない限り、出来る限り細分化したほうが強い、それはゴーレムにも言えることである、機体全体を対象に強化をするより、部品ごとを強化したほうが強くなる、しかしそれでも、私とアイシャの差が開くことは無い。
「もしかして、一回も全力出したことない?」
「バレました?
確かに一度も本気を出したことは無いですが、技術力では負けませんよ」
単純な力で負けているなら、技術力で勝てばいい、機体の動かし方や、魔法などの色々な物を使い少しずつ追い詰める、打撃には重力操作や質量増加、加速などの魔法をかけて威力の底上げをして、魔法は光線だけでなく、レーザーのや光球なども飛ばす、後で下にいた二人に聞いたら、「とってもきれいだった」といわれた、そんな中でもアイシャは一切引かず、することと言えば弾幕を回避しながらこちらに向かって突進してくる、それを躱し、私達は幾何学模様を描くように動き、少しずつその大きさと密度を増やしながら、空へと昇っていく。
互いに空に昇りながら互いに攻撃し続け、その視界は一気に暗くなる。
「あはははっ、空の上ってあるんだね!!」
「これは……まさか宇宙!?」
色々な状況を想定して、機体の中を絶対安全にしておいてよかった、ただ、アイシャは大丈夫なのだろうか……いや、そもそも宇宙でアイシャの声が聞こえている時点で、私が知っている宇宙とは違うと見た方がいいだろうか……、そんなことはどうでもいい、重力や空気抵抗が無くなった分機体が軽い、だがその条件はあちらも同じ、攻撃をしに行こうと思い構えると、アイシャが何か不穏なことを言い出した。
「やっぱりこれは、下には打てないよね……」
その言葉の後、「ドラゴノイド」の口が「パカッ」と開き、その中には青白い光の球が徐々に大きくなっていく、竜が口から出すもの……その結果は簡単に想像できた、私はその光球に向けて指を向けレーザーを放つ、私のレーザーに一歩遅れる形で、「ドラゴノイド」の口から、青白いブレスが放たれる、そのブレスは私のブレスを押し返し、私の目の前まで迫っている、この状況を楽しいと思っている私の口角は上がってるだろう、魔力増幅炉の稼働率を一気に増やす……すると、少しずつこちらににじり寄ってきていたブレスとレーザーの境目は止まり、ついには押し返すに至り、半分ほどまで押し返したところで、アイシャは押し合いをやめ、レーザーを回避する。
「逃がしませんよ」
「怖い!怖いよ!!」
「大丈夫ですよ、怖いところなんてな~んにもありません」
アイシャの回避と同時に、アイシャの後ろに高速で動き、思いっきり殴る、その攻撃で「ドラゴノイド」は私のパンチと同じ速度で飛んでいき、私の機体の移動は、その速度を上回る、そこからは速く、ピンボールのように何度か「ドラゴノイド」を弾き飛ばし、闘技場が見えたところで、「ドラゴノイド」の首を掴み、一気に闘技場にたたきつける、その攻撃で搭乗者のアイシャが気絶したことで、私の勝利が決まった。
大会の授賞式?
そんなものやりませんよ……




