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世界樹の下で  作者: 瀬織菫李
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15/30

15.聖女様はざまぁされる①(聖女視点)

「ブランシュ・フュルスト!!よくも私の愛する聖女ユカを虐げたな!!貴様との婚約を破棄する!!二度と俺の前にその顔を晒すな!!」


 ついにキタ!断罪イベント!!


 なかなか起きないからもう完全に失敗しちゃったかと思ったわよ。


 あたしが召還されてから約一年。今日は一年に数回行われる王家主催の夜会のひとつ、オロールの大夜会。


 いくらゆっくり攻略出来るからって、エンディングは旅が終わってからなんだもん。早く見たいじゃない。流石に一年は長いわよ。


 今回の夜会は、ちゃんとシアンが招待してくれたし、ドレスも送ってくれた。エスコートもバッチリ!やっぱりメイン攻略は王子様よね。


 ただ、悪役令嬢達がちっとも仕事しなくて、苛めから庇ってくれたりするイベントはほとんど起きなかったの。もう、悪役令嬢のクセにちゃんとシナリオ通りに動いてくれなきゃダメじゃん!


 階段落ちイベントも結局起きなかったし。仕方ないから、怪我したフリして自分で足に包帯巻いてあるから動きづらいの。もう、ヤんなっちゃう。


 でも、ちゃんとシアンが婚約破棄してくれたから、きっとこれで旅に出ればエンディングまっしぐらね!しかも、さっきこっそり聞いたら、他の四人も付いてきてくれる、って言ってくれたの!遠征なんて優秀なみんなが簡単に終わらせてくれるわ。そしたら全員順番に告白しなきゃ。ふふっ。


 ホントは他にもあたしに良くしてくれる男の子達が、今までに何人か付いて行きたいみたいな事を言ってくれたけど、その子達は魔法使えないみたいだったんで、断った。遠征パートで足手まとい増やしたくないもんね。


「婚約破棄に関しては承知しましたが、聖女様を虐げた、という理由に関しては承服致しかねます」


「何っ!?」


「何故私が聖女様を虐げねばなりませんの?それに証拠は?いつ、どこで、何がありましたの?」


「煩いっ。貴様は俺がユカを愛しているのを知って、嫉妬に狂ったんだろう!!証拠など聖女であるユカがそう言ってるんだからそれで間違いない!!」


 うわ、何この悪役令嬢。往生際が悪いわね。あたしがそう言ってるんだから、その通りに従いなさいよ。


「わたくしが何故嫉妬せねばなりませんの?わたくしとシアン様の婚約は政略。わたくし、小指の先程もシアン様をお慕いしておりませんもの。理由になりませんわ。それとも、世界中の女性は必ず自分を好きな筈だ、とでも?随分と自信過剰ですのね?」


「くっ!ぶ、無礼だぞ!!それなら王子妃の地位に執着したんだろ!!」


「ふふふ。王子妃ですって?何か勘違いされている様ですが、第三王子たるシアン様は、わたくしと結婚した場合、侯爵家に婿に入るんですのよ?つまり王子ではなくなりますもの。執着する筈などありえませんわ」


 え、あれ?なんか違う?


 確かゲームじゃ、『わたくしからシアン様をうばったその小娘が悪いのよ!!』とか言ってシアンに泣きながら縋って突き飛ばされてたんじゃ無かったっけ?


 おかしい。シアンがひとつひとつどんな苛めがあったか言うんだけど、全てアリバイがあるとか言ってる。確かにこの女がやったか証拠は無いけど、苛められてたのはホントだもん!あたしは聖女で、この世界を救う役目があるのに、影でこそこそ嫌がらせするんだから酷いわっ!!

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