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なろう作家ワイ。事実に基づく怖い話をする。

作者: 千葉丸才

ーーーーーー



 これはワイが大学行っとった頃の話や。


 当時付き合っとった彼女がおったんやけど、彼女は人形を集めるのが趣味やった。


 まぁ、言うて値段は知れとるもんで、月辺り3000〜5000円くらいの間に抑えとった。


 ワイも当時はモンハンフロンティアやっとって、そんぐらいは突っ込んどったから何も言わんかった。


 ほんである時、彼女が急にバイトを増やしたんや。

 やからワイは彼女に聞いた。


「なんでそないバイト増やしたんや?」


「欲しい人形を見付けたでごわす」


 ほーん、ええやん。と答えたけど、ワイは本当は嫌やった。

 彼女に会う時間が減ってしまうからな。


 ほんで3ヶ月が過ぎたくらいに、彼女が嬉しそうに言って来たんや。


「やっと人形が買えたザマス!見に来てごわす!」


 ワイは早速彼女の家に行った。


 彼女は一人暮らしをしとって、その内の一室に人形を集めとった。


 まぁ、言うて寝室を兼ねてるから、そない山程有る訳や無いけど。


 ほんで、そん中に一体だけ見た事無い人形があってん。


 綺麗なビロードのドレスを着た、西洋人形や。


 ワイは詳しく事知らんのやけど、彼女曰く結構な価値物で、10万円近くしたらしい。


 彼女はこれの為にバイトを頑張っとったんやね。

 彼女は嬉しそうにその人形をワイに見せてくれたけど、ワイは何となく嫌な感じがしとった。


 それから一ヶ月が過ぎたんや。


 彼女はバイトも減らしたし、前みたいに会えると思っとったんやけど、なんやあんまり会えへん様になっとった。


 なんでや?ってワイが聞いても、


「……疲れてるだけでごわす」


 言うだけで、ワイに理由を教えてくれんかった。


 ほんでそっから更に一ヶ月が過ぎた。


 その頃には彼女は大学も休みがちになっとって、心配になったワイは彼女を問いただしたんや。


 そしたら彼女は遂に口を割ったんや。


「……あの人形……気が付くと全然違う場所に居るでごわす」


「テラワロス。そんなワケ無いやんけ。見間違いやろ?」


 でも彼女は一生懸命に首を振るんや。


「本当でごわす!本当に勝手に動くんでごわす!!」


 ワイは信じられんかったけど、彼女の目は真剣そのものやった。

 その真剣が突き刺さってワイは死んだ。嘘や。


 彼女曰く、最初は寝室の中で置いてた場所がズレるくらいやったらしい。


 そんくらいなら気のせいかと思ってたんやけど、ドンドンと場所が変わる様になって、寝室からも出る様になったらしい。


 流石に彼女も怖なって、人形を箱にしまうとキッチンの下の開き戸に隠したそうや。

 それで暫くは平穏やったんやけど、ワイが問い詰めた今日の朝、その箱がズタズタにされて彼女の布団の上に乗っとって、人形が彼女を覗き込む様に立っとったらしい。


「ワイくん……!拙者怖いですごわす!どうにかなりそうでごわす!!助けて……助けてクレメンス……!!」


「マ?マ?ほ、ほーん。ええやん。ワイに任せるやで」


「ありがとうワイくん!!」


 ほんでワイは彼女の家に泊まる事にしたんや。


 まぁ、でもこの時はまだワイは信じとらんかった。なんかの間違いかイタズラやと思っとったからな。


 で、当日はバイトがあった彼女に鍵を借りといて、先に家に入らせてもらった。


 ほんで彼女に分からん様にカメラを設置したんや。


 万が一、誰かのイタズラなら証拠が要ると思ったからな。

 ほんで彼女が帰ってきてから飯食って映画見て寝たんや。


 人形はワイの目の前でキッチンの下の開き戸にしまった。これで動いてたら、ホンマにヤバい思っとったで。


「ありがとう……ワイくん。これで安心して眠れる……」


「馬鹿やろう……今夜は寝かせへんで?」


「zzz」


「寝たで?」


 彼女は安心したのか、速攻で寝よった。ワイは暫くモジモジしとったけど、結局眠ってしまったんや。


 ほんで次の日の朝やけど、ワイは彼女の悲鳴で目が覚めたんや。


「わ、ワイくん……!!」


「マ?マ?」


 そこには、ワイ達を覗き込む様に人形が立ってたんや。


「もう嫌!!なんでこんな事になるでごわす!!」


 そう言ってパニックになる彼女を宥めると、ワイは仕掛けたカメラを取りに行った。


 少なくとも、キッチンから寝室に来たなら間違いなく写っとる筈だったからな。


 ほんでワイは再生してみたんやけど、そこには……


「……ワイくん?どうしたの?そのカメラ何?」


「……念の為に仕掛けとったんや。だけど、暗くて何も見えんかった。でもその人形は確かにヤバい。お祓いに行くで」


「わかったでごわす……」


 ほんでワイはその日の内に彼女を連れてお祓いに行った。

 んで、その人形は供養して貰って、無事に帰ったんや。


 まぁ、それから暫くして彼女とは別れたんやけど、彼女は元気に暮らしとるらしい。


 ワイも元気にやっとるけど、今でも時々思い出すんや。


 あの、カメラに映っとった、







































































 人形を無言で運ぶ、彼女の顔を。








































































 でも良く考えたらワイは童貞で彼女なんて居らんかった。



                〜fin〜




 

 

 別作品でファンタジーとか書いてます。もし良かったらそちらも読んで頂けると嬉しいです。


 あと、面白かったら評価頂けるとテンション上がります。

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