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白狼  作者: kazuyaX
7/21

第7話 長い夜の始まり

食堂では、もう皆席についていた。席の並びはお昼と一緒だ。

ただ一つ違うのは、人数が増えているという事。

さっき会った、村木さんとその会社の人が3人の計4人だ


しばらくして料理が運ばれてきた。

僕達は、そのおいしい料理に舌鼓を打ちながら、話しをした。

村木さんの話しは、世界の歴史ミステリーの事で、すごく興味を惹かれる話しばっかりだ。

しかもとても面白い話である。


ただ僕が、気になったのは、黒川夫妻の動向だった。


ぼくは、村木さんの話しを聞きつつちらりと黒川さんの顔を見る。


・・・。


特に、おかしいところはなく、興味深く、村木さんの話しを聞いていた。

そのうち、話しが一段落すると

自己紹介が始まった。


村木さんのグループの唯一女の人はすらっとして

一目みるとモデルをしているような印象を受ける。

名前は、

近藤 さき


インタビュアーだそうだ。

時々、月刊歴史ミステリー内にインタビュアーとして登場することがあるらしい。


そして、その横に座っている長髪の男の名は

加賀見 良太

というらしい。

村木さんのグループ内で、編集や、雑誌のレイアウトなどを考えるらしい。


そして、少し小太りの男が、村木さんのチームで、カメラマンをしている

河藤 健太


以上が、今回、夕飯から加わったメンバーである。

その後話しははずみ、浜田家の事や、みんなの調査結果の報告などを行った。

その中で、やはり、一番結果を出していたのは、めがね3人衆だろう。

書斎に行った事は、正解だったらしく、色々な情報を手にする事ができたらしい。

まだその事については、確証がないので、という理由で報告をしなかった。

その後も、話しは弾み、食事を終えても談笑は続いた。


そうこうしている内に一人、また一人と食卓から消えて行った。

僕も、恵と二人で食堂を後にした。


「少し、散歩しない?」

恵が唐突に僕に言った。

なんだか浮かない顔をしている。


「うん、いいけど・・・。」

僕は、特に断る理由もないので、恵の意見に同意した。


そして僕達は、大きな門を開け、外に出た。まだ、夏は本格的に来てはいなく、少し肌寒かった。しかし、確実に夏の足音は、聞こえてきており、においはそれを感じさせる。


僕達二人は、昼に歩いた道をなんとなくたどっていた。

「ねえ・・・。コータ」

恵が唐突に言う。

「どうしたんだい」

僕がすかさず言う。

告白かってすこし期待したけど、どうもそうではないようだ。

「私の事どう思ってる?」

恵が言った。

僕は、一瞬昼の事を思い浮かべたが、恵は告白できるような雰囲気ではなかったので

今は、告白をしない事にした。

「どうって?」

この言葉が、今僕が思いつく最適な言葉だ。


「うーーん。なんていうか・・・。」

そういって、恵は黙った。


・・・。

・・・。

・・・。


沈黙が続く。

なんだこの雰囲気は・・・。


ふーっと恵が一息ついた。

そして・・・。


僕が、後に思い知る事になるある言葉を口に出した。


「今、ここにいる私が、もし・・・もしの話しよ・・・。

実は、全然違う人物だったらどうする?」


・・・?


恵は、一体何を言っているんだ・・・?

「え・・・どういうこと??」

僕は、言った。

すると、恵は顔を伏せながら、言った。

「ううん。なんでもない・・・。」

そういって僕を見て微笑みながら、言った。

「ごめん。さっき言った事は忘れて」


絶対むりっす・・・。

心でそう思いながら、特にそれ以上は何も言わなかった。

そしてそのまま、何事もなかったように

散歩を終え、部屋にもどった。


途中、玲夏さんに会った。

玲夏さんは、木田さんを探していた。

玲夏さんは、僕にも、恵にも木田さんを知らないかと尋ねたが、特に、木田さんを見たわけではなかったので、見ていないと答えた。


そして僕達は、おのおのの部屋に戻った・・・。


一息つき僕は、ベッドに腰掛けた。

恵は一体何がいいたかったんだろう・・・。

人物が違う人物だって一体どういう意味なんだ。


その時、ぼくの中で、パチンと何かが弾けた様な感じがした。


もしかして・・・。

恵が、となりの黒川さんが言ってた白狼か???


ってか、白狼自体何なんだ???


全く分からない・・・。


そしてまた、何気なくスマホを見た。


うん???


圏外になっている・・・。


おかしい・・・。


たしかに、今日のお昼は、電波が飛んでいたはずだ・・・。


少し僕は、部屋の中を移動してみたり、スマホを振ってみたりした。

だが、結果は一緒である。


圏外だ・・・。


何故だ・・・。


胸騒ぎがする・・・。


実際は何も起こってはいない。

また何かが起こるとは決まったわけではない。


だが、なんなんだ。

この胸騒ぎは・・・。


その時だ・・・。


キーーーーーーーーン

と急に頭が痛み出した。


ぐわっと頭を抱える・・・。


僕の心の中で、画像が見える・・・。

鮮明に見える。


女の子だ・・・。

女の子が立っている・・・。

その子は、こっちを向いて笑っている。


僕は、この子を確かに知っている!

だが、誰なんだ!!


次の瞬間、画像は、炎に包まれ消えた。


それと同時に僕の、頭痛も消えた。


ポタ・・・ポタ・・・。


地面に汗が落ちる・・・。


ほんの30秒程度の痛みなのに、なんなのだこの汗は。


僕は、顔の汗をぬぐい、ベッドに腰をかけた。

こんなのは今までで初めてだ・・・。


画像に出てきた女の子は、僕は確かに知っている。

だが思い出せない・・・。

誰だろう・・・。


もしかすると、喪失した記憶がもどろうとしているのか?

その時・・・。


コン コン コン

部屋をノックする音が聞こえた・・・。



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