プロローグ 全てを変える一目惚れ
プロローグではあらすじで書いた事の細かい部分を書いただけなので、とばしていただいても大丈夫です。
プロローグ 全てを変える一目惚れ
「今日から俺も新しい学校だー」
少年は独りで声をあげていた。
桜が待っているわけでもなく、蝉の鳴き声がただ頭に響いてくるこの日に少年は新しい高校生活を始めようとしていた。
もちろん少年も新生活を祝うには向いていないと言わざるを得ないような、蒸し暑い日だというのは重々理解しているが、転校早々嫌悪感をだしていると
「なにあいつー。転校生のくせに新学期早々ダルイ感じだされると、こっちまでダルくなるからやめてほしいんだけどー」
と言われ友達ができなくなりそうという、少年の勝手な想像で誰もいない学校前通りで独り気分を高揚させていたというわけだ。
そもそもいる訳がない。新学期はどの部活も朝練がなく、8時20分までに学校に着けばいいため現時刻6時40分に歩いている人は誰1人としていない。
「はぁー。なんで転校初日はこんなに早いんだよー」
と少年は明らかに疲労感と嫌悪感のある声で呟いた。
だが、溜息をついた瞬間に後ろから白い肌の綺麗な手が伸びてきて、ポンッと溜息をキャッチした。
「溜息を吐くと幸せ逃げちゃいますよー」
そこには茶髪のミディアムで、蒼眼の可愛らしい少女が笑みを浮かべていた。
「そっ、そうだよね。ごめんごめん」と無意識に謝っていた。
「謝らなくてもいいんですよー」
ーー僕はどうして咄嗟に謝ったのだろうか。嫌われたくなかったからか?
この答えは割と簡単に出た。一目惚れだ。だが、その事実に少年はあまり腑に落ちなかった。自分の家の家柄上お見合いをさせられる事が多かったのだが、彼女以上か同じぐらいの美貌をもった人も少なからず、いた。だがその人達にはこれっぽっちも魅力を感じなかったが、彼女には言葉にできない魅力があった。
だが、この出会いはやがてこの学園に波乱の嵐を巻き起こし、色々な者の全てを変える必然的な出会いだった。
この2人で越えた学校と運命の門が彼等の臨界だった事を知るのは、まだまだ先の事。




