78匹目 マジックサンド
更新が遅れたのはマイクラでチノちゃんの絵を描いていたからです。
あれ思ったより時間くいますね。マップ狭いしブロック敷き詰めて地図に顔を描こうかと思っていたのを思いとどまって良かったと心底思ってます。
《運営インフォが1件届いています》
ログインしました。現時刻は午前10時。丁度夜に切り替わった時間だな。
とりあえずリアさんの所へ行こうかと思っていたんだがなんか届いてるな。
《イベント情報》
全プレイヤー参加型大型イベント第2弾。「モンスター大侵攻イベント」を開催します。
詳細情報はFWOホームページをご確認ください。
開催日 8/6(日)
イベント内容 魔人率いるモンスター軍団が始まりの街に攻めてきた!全プレイヤーの力を合わせて迎え撃て!
エントリー方法 全プレイヤー強制参加
注意 8月6日午前10時に始まりの街の外に居るプレイヤー及び始まりの街外でログアウトしたプレイヤーの復帰地点は噴水広場に強制変更になります
おー、魔人ちゃんのイベントの日が決まったのか。えーっと、今日が7/26の水曜日だから開催日は次の次の日曜日だな。
……早くね?2週間おきに大イベントとかやってて大丈夫なのか?主にネタのストックてきな意味で……。まぁ、それは俺達が心配することじゃないか。
それに大侵攻イベントで大勢のプレイヤーとモンスターのぶつかり合いとか絶対絵になるしな。闘技大会のときみたいにFWOのホームページに動画を乗っけて宣伝するつもりなのかもな。
……イベントは楽しみだけど目立つのは嫌かも。ストーカーとかに絡まれたら嫌だしなぁ……。せっかくのイベントだし出し惜しみするつもりも無いけどさ。
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「リアさ~ん。こんちわー」
「きゅいー」
「ホー」
「メェエ」
「~~!」
「……にゃぁ」
イベントの日が決まったからかまた活気付き始めた街中を掻き分けリアさんの元までたどり着いた。
まぁ、闘技大会間近の時に比べれば遥かにマシなんだけどもね。
次のイベントは全プレイヤー強制参加らしいし、闘技大会の時よりも街も狩場もさらに混むかも……
これはちょっと急がないとだめかもなぁ。
「あら、こんにちは。丁度いいときに来たわね」
「?何かあったんですか?」
「きゅい?」
何かリアさんに頼んでいたものってあったっけ?ん~、ボタン鍋かな?そういえばまだ食べてないなぁ。
イノシシの肉ってどんな味なんだろうか。じゅるり。
「いえ、さっきまでお客さんが沢山いたのよ。最近になって第二層に行くプレイヤーが増えたでしょう?それでカンテラとか、毒消しとか麻痺消しとかの需要が増えているのよねぇ。後は剣とか鞭とか投網とか」
「前半は分かりましたけど後半が良く分かりません。特に最後」
「投網なんだからもちろん投げて捕まえるのに使うんでしょうね。誰をとは言わないけれど。あ、後。睡眠薬とか麻痺薬とかの注文もあるわね。誰に使うつもりなのかは聞かないけれど」
「……誰、の時点でモンスター相手じゃないと言っているようなものなんですがそれは……」
「気のせいよ」
気のせいだったらしい。
でも状態異常にする薬は便利そうだから俺も欲しいかも。
「いいけど、高いわりに状態異常になる確率はそんなに高くは無いわよ?相手の耐性が高いとレジストされるからボスには全然効かないし」
「へぇー……」
ザコ戦で使うには高価すぎ。ボス戦で使っても効果が無い、と。
……使えなくね?
「ん?じゃあどうして注文があるんですか?聞いた限りだと使えなさそうなんですけど……」
「……ロマンじゃないかしら」
「ろ、ロマンですか」
「ボスにもまったく効かない訳じゃないみたいだからね。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるの精神で薬漬けにするつもりじゃないかしら。そんなに上手くいくとは思えないけどね」
「ふーん……」
何か聞いてはいけないことを聞いてしまった気分だ……オマエラのイベントへのモチベーションの高さにはビックリだよ。
「じゃあ、状態異常薬はいらないです。カンテラを1つと小瓶をくださいな」
「はい。カンテラ1つね。小瓶はどんな物が欲しいのかしら?」
「これを詰める為の鑑賞用のビンですね」
そういってストレージからマジックサンドを取り出して屋台の上に置く。取り出してからサラサラと砂が零れ落ちるんじゃないかと思い至ったが、どこからともなく表れた白い四角の紙の上に薬の様に盛られた状態で表れてくれた為、零さずにすんだ。セーフ。
「あら、マジックサンドね。という事は砂漠のエリアボスを倒してきたのね。あのボスは物理攻撃が効きにくいから大変だったでしょう?」
「あっはっはー、そういう話は行く前に聞きたかったです……」
「ふふ、これぐらいちょっと調べれば分かるわよ?事前に情報を集めなかったユウ君の自業自得ね」
ごもっともで。
でもなぁー。攻略に詰まってどうしても解けないとき以外に攻略法方を調べるのはカンニングしてるみたいで嫌なんだよなぁ。そっちの方が効率がいいのは分かるんだけど、楽しさ半減じゃね?いや、個人の感想だけどさ。
「うーん。マジックサンドを入れるならシンプルで透明な物の方がいいわねぇ……。コレなんかどうかしら?」
そういってリアさんが取り出したのは透明度の高いコルクの様な蓋のついたいかにもな小瓶だった。
ビンといったら真っ先に頭に思い浮かぶようなやつだな。
黄金のタライとホースを集める伝説で超重要アイテムなあきびんを手の平サイズに縮めた物を思い浮かべれば大体あってる。ゲームによってはボスの攻撃を打ち返すことまで出来る最強アイテムのアレね。
「どれどれ……」
リアさんからカンテラと小瓶を買い取った俺はさっそく手持ちのマジックサンドをサラサラとビンの中へ詰めていく。
キラキラと様々な色に輝くマジックサンドは砂というよりも砕いた宝石といった方が適切な表現なんじゃないかと思える程綺麗だった。
「きれい……」
「ホー……」
マジックサンドを詰め終わったビンに蓋をして屋台の上にコトリと置くと、俺の手が離れるのに比例してマジックサンドの輝きが失われていき、普通の砂と変わらない見た目に戻ってしまった。
「~~!」
まぁ、すぐにティーニャが小瓶に抱きついて輝かせては離れて、また抱きついてと遊び始めたので余韻にひたる間も無かったんだが。
にしてもこの買い物は当たりだったかもな。触れるぐらい近くに無いと色が変わらないのがちょっと残念だけどな。
「じゃあ、リアさん。俺達はこれで行きますね。ありがとうございました」
「……にゃぁ」
「……はっ!え、ええ。分かったわ。こちらこそ、ありがとうございました。またのお越しを心よりお待ちしております」
小瓶を見つめながらなにやらブツブツと呟いていたリアさんにマニュアルをそのまま読み上げたような挨拶をされてしまった。
リアさんもマジックサンド入りの小瓶が綺麗で見とれていたのかね?にしては反応が怖かったような気もするけど……。
まぁいいか。手土産も出来たしフィアちゃんに会いに行きますかね。
もふもふ!
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