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72匹目 麻痺消しドロップ

本日2匹目です。

1匹目を見てないと次に双子ちゃんが出たときに誰だっけ?ってなるよ!

見ててもなるからいいや。とか言っちゃダメなんだよ!!

 

「……はぁ」

「……んにゃぁ」


 レン君がアトリエにいるようだったので遊びに行ったんだが、今忙しいからと追い返されてしまった。

 なんかものすごい忙しそうだったなぁ。鬼気迫る勢いで何か作ってたし。あ、ちなみに杖は貰いました。まぁ、特にあれな特殊能力も無い普通に強い杖だったとだけ言っておこうか。


 ……ところで器用にバランスを取って俺の肩に乗っているノゾミは俺を慰めてくれているのかな?それともタクシー代わりに使ってるのか?乗ってるところを想像したらかわいいんだけど俺からじゃ見えないんだよね。道行く人に指を指されているから目立っていることだけは確かだけども。


 といった所で第三目的地のアトリエに到着。


「おじゃましま~す」

「きゅぃ~」

「ホ~」

「メェエ」

「~~♪」

「……にゃぁあん」


 玄関を開けたけどお出迎えが無かったので、コンコンコンとノックして工房に入る。前回怒られたからね。俺も学習したのだ。


「……学習したのなら返事が返ってくるまで扉を開けないでください」


 工房に入った俺を迎えてくれたのは今まさに椅子から降りて読んでいた本を片手に扉へ向かおうとしていたフィアちゃんの冷たい言葉とジト目だった。うん、今日もかわいいなぁ。


「口に出してないのに、よく俺が考えている事がわかったね。絆だね」


「……あなたが特別分かりやすいだけです。はぁ……バカな事言ってないで座ってください。お茶くらい出しますから」


「そう?ありがとう」


 フィアちゃんのお言葉に甘えて引いてくれた椅子に腰掛けさせてもらう。夜になる前には山に狩りに行きたいけどまだ3時間ほどあるしな。せっかくのフィアちゃんのお誘いを断るわけが無いな。


「きゅい~」

「ホー」

「メェェ~」

「~~!~~!」

「……にゃぁ」


 ボーパル達も思い思いの格好で寛いでいるな。一匹元気に飛び回っているのがいるから注意しないとだけど。

 ……うん。こうやって寛いでいるところを見るとやっぱり家が欲しくなるな。ちょっと小高い丘の上にある一軒屋で暖炉がある木造の家とか……。


 ……一瞬立方体のブロックで建物をクラフトするゲームで、頑張って作った木造の家の中に暖炉を作ったら壁と床に飛び火して床の一部と設備以外全焼したトラウマが……暖炉はやめておこうか。うん。


「……お待たせしました」


「うんにゃ。そんなに待ってないから大丈夫だよ」


「……そうですか」


 フィアちゃんが入れてくれた紅茶っぽいお茶を一口、口に含む。あら、おいしい。


「ん。おいしいね、これ」


「……フィアのとっておきのお茶です。『お茶なんてどれも同じデス』とかいう姉さんは人じゃ無いです」


「モンスター認定する程なのか」


 どことなくフフンと胸を張るようにして告げるフィアちゃんに俺は苦笑いで答える。

 まぁ、気持ちは分かるよ。自分が好きなものを相手にも好きになれとまでは言わないけど、どうでもいいとか、嫌いだとか、面白くなかったとか、わざわざ本人に言うなよとは思うよね。ハゲればいいのに。


「……それにしても……」


 俺の向かいの席に座って、両手で持ったカップをふーふーした後、ちびちびと飲んではほっこりしていたフィアちゃんを見てほっこりしていると急にフィアちゃんが辺りをキョロキョロしだした。


「……にぁん?」


 いや、キョロキョロしていたのは最初だけで、ノゾミを見つけると今度はジーっとノゾミを見つめ出した。

 フィアちゃんはネコが好きなのかな?かわいいよね、ネコ。


「……また、新しい子を増やしたんですね。あなたは本当に節操なしですね」


「ちょ、その物言いは流石に看過できないよ!俺はちゃんと俺が見てかわいいと思った子しか加えてないよ!!」


 まったくもう。失礼しちゃうよ。


「……その返しは予想外でした。もしあなたがサモナーじゃ無かったら今のセリフは完全に軟派男ですね」


「その場合はフィアちゃんのセリフは完全に正妻だね」


 それも幼馴染ポジのおせっかいな女の子と見た。軟派男のほうもじつは幼馴染の女の子に構って欲しくて他の女の子にちょっかいかけてて、それを見ていた幼馴染の女の子は他の女の子にはちょっかいをかけるのに自分には手をださないから自分は好みじゃ無いんだろうと勘違いしててこじれるパターンのやつ。


「……フィアはあなたの幼馴染じゃないので違います」


「口に出してないのに、よく俺が考えている事がわかったね。愛だね」


「……違います!」


 力強い否定のお言葉を貰ってしまった。残念。


 ……さて、お茶も飲み終わった事だし本題に入ろうかね。


「さて、と。フィアちゃん。今日俺がここに来た用事についてなんだけど。麻痺を治す薬って無いかな?出来れば苦くない奴で。あっ、魔力が回復する薬もあったら嬉しいかも」


「……麻痺を治す薬はあります。苦くないもので。数はそんなに無かったと思いますが……魔力を回復させる薬はフィアには分かりません。姉さんなら知っているかもしれませんが……」


「うーん。そうかぁ。あれば嬉しいけど無いとダメなわけじゃないからね。とりあえず麻痺用の薬だけ貰おうか」


「……分かりました。少し待っていてください」


 そう言うとフィアちゃんはいつの間にか膝に乗せていたボーパルを床に降ろし、空になったカップを持って奥へと消えていった。


 ふぅ、そうか。エルに聞いてみたら知っているかも、ってことは魔力回復用の薬は手持ちに無いってことだよな。


 まぁ、そう簡単に手に入るとは思って無かったけどね。ちょっと期待してたのは本当だけども。


「……お待たせしました。これが麻痺消しドロップです」


「……おぉ。どれどれ」


 フィアちゃんが取り出した器にコロンコロンと麻痺消しドロップを入れて見せてくれる。大きさや形は毒消し丸と殆ど変わらないな。ただ色が毒々しい紫から透き通る黄色に変わっている。

 ……な~んか見覚えあるんだが。


「……レモンキャンディー?」


「……苦くは無いです」


「かわりにすごい酸っぱそうなんですけど!?」


 仮に毒消し丸と同じ強さで苦さが酸っぱさに変わっているとしたら毒消し丸とは違うベクトルで口の中が大変な事になりそうだ。


「はぁ……まぁいいや。麻痺をくらわなければいいだけの話だしな」


「……あ、フラグの立った音がしました」


 ……不吉なこと言わないで欲しいんだけど……

もふもふ!

誤字脱字ありましたら感想のほうへお願いします。


今更だけど封印率が100%になった状態を召喚可能状態だったら紛らわしいという事で封印完了状態に書きかえました。

全部書きかえました・・・


・・・ボーパル、僕はもう疲れたよ。もう・・・楽になっても・・・いいよね・・・?

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